
この記事は、アパレル歴20年の店長経験者が詳しく解説しています。【筆者プロフィール】
公園遊び、運動会、サッカーや野球、芝生の上でのレジャー…。
楽しかったはずなのに、帰ってきて服を見ると緑の筋汚れがベッタリ。
泥汚れなら乾かして落とせても、草(芝)汚れは「洗ったのに色が残る」「緑が薄くなるだけで消えない」ことが多く、意外と手強いですよね。
草(芝)汚れの正体は、土の粒子というより葉の色素(クロロフィル)+植物の油分。
だから、泥のように粉を落とすだけでは足りず、“色素を抜く手順”が必要になります。

アパレル販売員時代に、「スポーツウェア」や「白T」の相談で最も多かったのが意外にもこのタイプ…。
そこでこの記事では、草(芝)汚れが落ちにくい理由から、家でできる正解ルート(応急処置→下処理→洗濯→残った時の再処理)まで、素材別の注意点も含めて解説します。
- 草(芝)汚れが「洗っても落ちない」理由(緑の色素と油分)
- 付いた直後にやるべき応急処置とNG行動
- 白い服・靴下・ユニフォームの落とし方のコツ
- 緑の色素を抜く“下処理の順番”(洗剤→漂白の考え方)
- デリケート素材や色柄物で失敗しない注意点
- NG例→OK例で、緑残りを防ぐ方法
「忙しい方」や「ポイントだけを知りたい方」は、下の【目次】から本文内の各項目へ簡単に進めるので、タップしてみてください。
草(芝)汚れで起きやすいトラブル一覧(先に全体像)
| 主要トラブル | ありがちな状況 | 主な原因 | まずやるべき方向性 |
|---|---|---|---|
| トラブル① 洗っても緑が残る | そのまま洗濯機に入れた | 色素(クロロフィル)が繊維に染着 | 下処理で“色素を浮かせて抜く” |
| トラブル② こすって広がる・ムラになる | 乾いた状態でゴシゴシ | 色素+油分が繊維に広がる | まず洗剤で油分を崩す→点処理 |
| トラブル③ 素材・色で色抜けや傷みが出る | 漂白剤を直塗りした | 脱色・毛羽立ち・風合い変化 | 素材確認→テスト→弱く段階的に |
ここからは3つを順に解説し、「今の状態ならどう落とすべきか」を迷わず判断できるようにしていきます。
トラブル① 洗っても緑が残る(色素が染み込む)
起きる理由(草の緑=色素+油分のセット汚れ)
草(芝)汚れは、土の粒子汚れではなく、葉の中の緑の色素(クロロフィル)が繊維に移った状態です。
さらに植物はワックスのような成分も含むため、色素が“油分の膜”に守られて、普通の洗濯だけでは落ちにくくなります。
つまり、草(芝)汚れは下の順番が重要。
- 油分を崩す
- 色素を浮かせる
- 洗い流す
このように草汚れは「色素+油分」の特殊タイプなので、他の汚れと同じ感覚で洗うと失敗しがちです。
まずは、下の記事から汚れの種類別に“落とし方の基本”を整理しておくと判断が早くなります。
起きやすい服の種類
- 白T、白シャツ、白ソックス(緑が目立つ)
- ユニフォーム、ジャージ(擦れで色素が入りやすい)
- 綿素材(染み込みやすい)、淡色のカットソー
現場だと、草汚れだけでなく“泥(砂)”もセットで付くことが多いです。
泥は草と真逆で「乾かして粉を落とす」が基本なので、両方ついている人は手順を分けると成功率が上がります。
対策(まず“油分を落としてから”色素に触れる)
- まず液体洗剤(できれば濃縮タイプ)を点でなじませる
- こすらず押し洗いで油分膜を崩す
- すすいで薄くなってから、本洗いへ
- 残る場合は「酸素系漂白」で段階的に色素を抜く
草汚れは“油分を崩す工程”があるので、洗剤の選び方で落ち方が変わります。
家にある洗剤でどれを使うか迷う人は、使い分け表だけでも先に見ておくと安心です。
トラブル② こすって広がる・ムラになる(点汚れが線になる)
起きる理由(乾いた状態で擦ると“染料”のように伸びる)
草汚れは“色がつく汚れ”なので、乾いたままゴシゴシやると、色素が繊維の上で伸びて、点→面に広がりやすいです。
また、濡らしてすぐ強く擦るのもNG。油分膜が残ったまま色素だけが広がると、ムラになって残ります。
最初は「弱く、点で、順番通り」が成功率を上げます。
このように、草汚れは染料みたいに伸び、擦った瞬間にムラになりがちなので、同じく「擦るほど広がる」タイプの汚れとして、絵の具汚れの対処も参考になります。
症状例・チェックポイント
- 緑の筋が薄くなるだけで、輪郭が残る
- 擦った部分だけ色が広がって大きくなる
- 乾くと緑が戻って見える(油分膜が残っているサイン)
対策(点処理→すすぎ→本洗いのリズム)
- 液体洗剤を汚れ中心に点置き(広げない)
- 押し洗い・つまみ洗いで動かす(摩擦を抑える)
- 一度すすいで状態確認(ここで落ち具合が見える)
- 仕上げに本洗い、必要なら酸素系漂白へ
トラブル③ 素材・色で色抜けや傷みが出る(漂白の失敗)
起きる理由(“色素を抜く”=脱色リスクと隣り合わせ)
草(芝)汚れは、最後に「色素を抜く」工程が必要になることがあります。
このとき強い漂白剤を使うと、汚れだけでなく服の色まで抜けたり、素材の風合いが変わることも。
特に注意したいのは、濃色・柄物・デリケート素材。
「汚れは落ちたけど色ムラが…」が一番悲しい失敗として残ります。
注意したいケース・素材
- 色柄物(部分だけ脱色して色ムラになる)
- ウール混・シルク・レーヨン(繊維が弱く、風合い変化が出やすい)
- 撥水・機能素材(薬剤が残ると性能低下の原因になることも)
- プリント部分(変色・ひび割れが出る場合がある)
対策(素材確認→テスト→段階的に)
- 洗濯表示で漂白可否を確認(不可なら無理しない)
- 目立たない場所で色落ちテスト
- いきなり強くせず、まずは洗剤で油分を崩してから
- 漂白は酸素系を基本に“短時間→様子見”で
色柄物やデリケート素材は、漂白剤で一発アウトになりがちなので、△マーク(漂白可否)だけでも先に確認すると、色ムラ事故を防げます。
NG例 → OK例(比較で理解を深める)
❌ NG例:
乾いた草汚れをゴシゴシ擦る → 緑が広がる → いきなり塩素系漂白 → 色抜け・風合いダメージ
⭕ OK例:
液体洗剤で油分を崩す → 押し洗いで点処理 → すすいで確認 → 必要なら酸素系漂白で段階的に色素を抜く
→ どう改善されるか
草(芝)汚れは「油分+色素」の順番を守るだけで落ちやすくなります。
先に油分を崩すと、色素が浮きやすくなり、漂白に頼りすぎずに済むのがポイントです。
今日からできる正しい方法(緑の色素を抜く手順)
草(芝)汚れは、いきなり漂白よりも、洗剤で土台(油分)を崩してから色素を抜く方が安全で確実です。
まずはタイミング別に、やることを整理します。
| タイミング | やること | 狙い |
|---|---|---|
| 付いた直後(外出先) | こすらず、乾いた布で軽く押さえる | 色素を広げない |
| 帰宅後すぐ | 汚れ部分を水で軽く湿らせる | 洗剤をなじませやすくする |
| 下処理① | 液体洗剤を点でなじませる | 油分膜を崩す |
| 下処理② | 押し洗い・つまみ洗い(弱く) | 色素を浮かせる準備 |
| すすぎ | いったん流して状態確認 | 落ち具合を判断 |
| 漂白(必要時) | 酸素系漂白で短時間処理 | 緑の色素を抜く |
| 本洗い | 通常洗濯(表示に合わせる) | 全体の汚れも落とす |
| 乾燥前チェック | 明るい場所で残り確認 | 色素の固定を防ぐ |
このあと、表の各行とリンクする形で、具体的なやり方とコツを1つずつ解説します(手順として迷わないように整理します)。
(表:付いた直後)こすらず、乾いた布で軽く押さえる
外出先でやるべきことは「広げない」こと。
緑の汚れは擦るほど広がるので、乾いたハンカチやティッシュで軽く押さえ、余分な水分や汚れを取る程度で十分です。
水で流せる環境でも、強く擦るのは避けてください。
(表:帰宅後すぐ)汚れ部分を水で軽く湿らせる
乾き切った草汚れに洗剤を乗せても、表面で弾かれて効きが弱くなります。
まずは汚れ部分だけ、軽く湿らせて“洗剤が入る土台”を作ります。
ここでベチャベチャに濡らす必要はありません。
(表:下処理①)液体洗剤を点でなじませる(油分崩し)
汚れ中心に液体洗剤を点置きし、指の腹で軽くなじませます。
ポイントは「広げない」こと。緑の範囲より少し内側に留めるイメージでOKです。
洗剤が油分膜を崩すことで、色素が浮きやすくなります。
(表:下処理②)押し洗い・つまみ洗い(弱く)
ゴシゴシは不要。押し洗いで“動かす”のが正解です。
布の下にタオルを敷き、上からトントンと押すと、色素がタオル側に移りやすくなります。
靴下や厚手素材は、つまみ洗いで軽く揉む程度で十分です。
(表:すすぎ)いったん流して状態確認
ここで一度すすぐと、「洗剤処理だけで落ちたか」「まだ緑が残るか」がはっきり見えます。
残りが薄ければ本洗いで消えることも多いので、漂白に進む前に確認しましょう。
また、一度すすいで“残り方”を見たとき、輪郭がうっすら残るなら「境目処理」を意識するときれいに仕上がります。
輪ジミになりやすい汚れの対処例としては、下の「チョコ汚れ」の手順も参考になるので、あわせてご覧ください。
(表:漂白:必要時)酸素系漂白で短時間処理
緑が残る場合のみ、酸素系漂白で色素を抜きます。
大事なのは“強く長く”ではなく、短時間→確認→追加の段階方式。
色柄物は特に、目立たない場所でテストしてからにしてください。
(表:本洗い)通常洗濯(表示に合わせる)
下処理・漂白まで終わったら、通常洗濯へ。
草汚れは部分処理でかなり落ちているはずなので、洗濯機では仕上げのイメージ。
すすぎを強めにすると、薬剤残りも防げます。
(表:乾燥前チェック)明るい場所で残り確認
乾かすと緑が戻って見えることがあります。
脱水後、明るい場所で最終チェックし、残るなら乾燥せずに「漂白→本洗い」をもう一度。
乾燥させる前に勝負をつけるのが、草汚れ攻略のコツです。
また、“乾くと戻って見える”は、汚れ残りが光で見えやすくなるだけでなく、時間差で変色するケースもあるので、変色・黄ばみ系の仕組みも知っておくと、再発予防がラクになります。
まとめ
草(芝)汚れは、泥とは違い“緑の色素(クロロフィル)+植物の油分”が繊維に移った汚れです
だから、洗っただけで落ちないのは普通。油分を崩してから色素を抜く順番を守れば、家庭でも十分落とせます。
まず、起こりやすい症状(問題点)を整理
- 洗っても緑が残る/乾くと戻って見える
- こすって広がり、ムラや輪郭が残る
- 漂白で色抜け・風合いダメージが出る
次に、なぜ起きるか(原因)
- 草の緑は色素で、繊維に“染着”しやすい
- 植物の油分が膜になり、洗剤の効きを邪魔する
- 乾いたまま擦ると色素が伸びて範囲が広がる
- 強い漂白を急ぐと、汚れだけでなく服の色も抜ける
最後に、今日からできる対策(効く順)
- 付いたらまず“こすらない”(押さえるだけ)
- 液体洗剤で油分膜を崩す→押し洗いで点処理
- すすいで状態確認、必要な時だけ酸素系漂白へ
- 本洗いで仕上げ、乾燥前に残りチェック
- 残るなら強くするより“短時間を繰り返す”
まずはこれだけやってみてください。
「洗剤で油分→必要なら酸素系で色素」
この順番を守るだけで、緑残りは大きく減ります。










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