
この記事は、アパレル歴20年の店長経験者が詳しく解説しています。【筆者プロフィール】
「お気に入りのセーターに穴が…」
「クローゼットの服だけ集中的に虫食いが起きる」
「防虫剤を使っているのに被害が出る」
虫食いは一度起きると元に戻せず、放置すると被害が広がる“衣類最大のダメージ”です。
しかも厄介なのが、「運が悪かった」ではなく、起きる家・起きない家で共通点があること。ウールなど虫が好む素材を持っているだけでなく、皮脂汚れの残り方や収納環境(湿気・密集・換気不足)で、虫が寄りやすい条件がそろってしまいます。
しかし逆に言えば、原因を整理して“効く順番”で対策すれば、防虫剤だけに頼らなくても虫食いはかなり予防が可能。
そこで本記事では、元アパレル店長としてなぜ虫食いが起きるのか、その本当の原因と予防策をわかりやすく解説します。
- 虫食いが起きる主な原因(素材・汚れ・収納環境)
- 虫が特に好む「動物性繊維」(ウール等)が危ない理由
- 汚れ・皮脂が残った服が“虫を呼ぶ”仕組みと要注意ポイント
- クローゼット環境が悪いと被害が増えるサイン(換気・密集・湿気)
- NG例→OK例で分かる、やりがちな失敗と改善のコツ
- シーズン終わりにやるべき「正しい収納手順」(洗う・乾かす・防虫)
尚、虫食いは“衣替えのやり方”で発生率が大きく変わるので、収納までの手順をまとめて確認したい方はこちらもどうぞ。
服に虫食いが起きる主な原因(一覧表)
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 虫(主にヒメカツオブシムシ・イガ)が繊維を食べる | 特にウール・カシミヤなど動物性繊維が好物 |
| 皮脂・汚れが付着している | 汚れがある服ほど虫が寄りやすい |
| クローゼット環境が悪い | 湿気・密閉状態で虫が繁殖しやすい |
原因① 虫が好むのは「動物性繊維」
虫食いの主犯は、
ヒメカツオブシムシ・イガ(蛾の幼虫)です。
これらは、以下の動物性繊維を好んで食べる性質があります。
- ウール
- カシミヤ
- アンゴラ
- シルク
特に冬服はこの繊維が多いため、「冬の衣替え後に一気に穴が増える」という相談を店頭でもよく受けました。
虫食いしやすさは“素材の性質”で差が出るので、ウールの特徴も一度だけ押さえておくと判断がラクです。
原因② 汚れ・皮脂が残った服は“虫を呼ぶ”
新品のウールより、
皮脂・汗・食べこぼし・整髪料が付着した服ほど虫が寄りやすいのがポイント。
虫は“繊維そのもの”より、
繊維+皮脂の組み合わせを好んで食べるため、
✔ 以下のような服は特に危険
- 1日着たセーターを洗わずしまった
- 首元・脇だけ皮脂汚れが残っている
- 長期間洗っていないコート
汚れを抱えたまま収納すると、
次のシーズンに必ず穴ができやすくなります。
皮脂残りは“虫”だけでなく“におい残り”にも直結するので、心当たりがある人はここもセットでどうぞ。
また、乾き切っていない状態でしまうと再発しやすいので、“部屋干し臭”の基本対策も確認しておくと安心です。
原因③ クローゼット環境が悪い
虫は暗い・狭い・湿気がある場所を好みます。
そのためクローゼットは格好の繁殖スポット。
環境悪化のサイン
- 服が密集して風が通らない
- 除湿剤を置いていない
- 年間通して扉をほとんど開けない
- 冬物と夏物をぎゅうぎゅうに詰めている
湿気が多いとカビの原因にもなり、
「服に黒カビが生える原因」と同様、衣類トラブルを連鎖させます。
湿気が多い収納は、虫だけでなく“黒カビ”も同時に招くので、こちらもあわせてチェックしておくと盤石です。
NG例 → OK例で理解する虫食い予防
❌ NG例
1日着たウールニットをハンガーにかけてそのままクローゼットへ。
防虫剤も古いまま交換していない。
→ 汚れ+虫が生息しやすい環境で、穴ができやすい状態に。
⭕ OK例
着用後はブラッシングして外気で湿気を飛ばし、
シーズン終わりには必ず洗ってから収納。
防虫剤は上段に設置し、空気の流れで全体に成分が行き渡るようにする。
→ 虫の発生源を断ち、長期間の保管でも安心。
虫食いを防ぐための正しい対処法
① シーズン終わりは必ず洗ってから収納
皮脂・汚れを落とすだけで虫食いリスクは激減します。
ウール・カシミヤなどは洗い方で傷みやすいので、失敗しない“おしゃれ着洗い”をまとめた記事も置いておきます。
② クローゼットは“風通し”が命
- 扉を定期的に開ける
- 服と服の間を空ける
- 除湿剤を併用する
湿度が下がるだけで虫の繁殖力は大幅に弱まります。
除湿剤は“置く位置・量・交換忘れ”で効き方が変わるので、クローゼットの湿気対策はここで一気に仕上げられます。
③ 防虫剤を正しく使う
- クローゼットの上段に置く
- 違う種類の防虫剤は併用しない
- 期限は必ず守る
防虫剤は空気より重い成分が下へ降りていくため、上段に置くのが最も効果的です。
防虫剤は“種類・置き方・併用NG・交換時期”を間違えると効かないので、ここだけは別記事で詳しく補足しておきます。
④ ブラッシングで埃を落とす
埃(ほこり)は虫のエサになり、
さらに湿気を吸って環境を悪化させます。
ブラッシングは“虫食い予防”だけでなく“ホコリ対策”にも効くので、黒服のケアも必要な人は以下もあわせてご覧ください。
今日からできる虫食い予防ポイント
虫食いは、「虫の好物を減らす(汚れ・ホコリ)」+「住みにくくする(湿気・密集)」の両方を押さえると予防効果が上がります。
| 今日からできる具体策 | やること(目安) | 狙い |
|---|---|---|
| ① 収納前に必ず洗う | シーズン終わりは洗濯 or クリーニング後に収納 | 皮脂・汚れを残さず虫を呼ばない |
| ② 着用後は湿気を飛ばす | すぐ収納せず、外気で陰干し→乾いてから戻す | 湿気を減らし繁殖しにくくする |
| ③ ブラッシングでホコリ除去 | ウール・コートは軽くブラッシングしてから保管 | ホコリ(エサ・湿気の温床)を減らす |
| ④ 収納は“詰め込み禁止” | 服同士の間隔を空け、扉を定期的に開けて換気 | 通気を作って虫が住みにくい環境へ |
| ⑤ 防虫剤は上段+期限厳守 | クローゼット上段に設置し、シーズンごとに交換 | 成分を全体に行き渡らせ効きを安定させる |
上の表は「全部を頑張る」より、被害が増える原因を“先に潰す”ための優先チェックです。
① 収納前に必ず洗う
虫食い対策で最重要なのが「汚れを残さない」こと。ウールなど動物性繊維は、繊維そのものに加えて皮脂・汗・食べこぼしが残るとリスクが上がります。
② 着用後は湿気を飛ばす
着た直後のニットやコートは、見た目以上に湿気を含みます。湿ったまま収納すると、虫が好む環境に近づくので“乾かしてから戻す”だけでも差が出ます。
③ ブラッシングでホコリ除去
ホコリは虫のエサになりやすく、さらに湿気も抱え込みます。特に冬物は繊維がホコリを掴みやすいので、ブラッシングが効きやすいです。
④ 収納は“詰め込み禁止”
クローゼットがギュウギュウだと、暗い・狭い・湿気がこもる条件がそろいます。間隔を空けて、定期的に扉を開けて空気を動かすのが基本です。
⑤ 防虫剤は上段+期限厳守
防虫剤は「置き場所」と「期限」で効きが変わります。上段に置き、古いまま放置しない(シーズンごとに交換)を徹底すると安定します。
まずは今日から、①洗う+④詰め込みをやめるだけでも虫食いリスクは下げられます。
まとめ
虫食いが起きるのは、主に以下の3つが重なるからです。
- 虫が好む動物性繊維がある
- 汚れ・皮脂が残っている
- クローゼット環境(湿気・密集)が悪い
防虫剤を置いていても、汚れが残っていたり、詰め込み収納で湿気がこもっていると、被害が出ることがあります。
✅今日からの実践手順(迷ったらこの順番)
- シーズン終わりは洗ってから収納(汚れを残さない)
- 着用後は湿気を飛ばしてから戻す(湿ったまま入れない)
- ブラッシングでホコリを落とす(特にウール系)
- クローゼットは詰め込みをやめ、換気する
- 防虫剤は上段に置いて期限内に交換する
よくある失敗は、「1日着たニットを洗わずに収納」「防虫剤を古いまま使い続ける」「収納がパンパンで風が通らない」の3つです。
これを避けるだけでも被害はかなり減らせます。
お気に入りの冬服を守るために、まずは今日のクローゼットから“詰め込み”と“汚れ残り”を1つずつ潰してみてください。












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