「ニットが伸びて形が崩れた…」
「肩の部分だけダルんとして戻らない」
「ハンガー跡でヨレヨレになった」
ニット(セーター)は繊細な素材のため、
伸びる → 型崩れ → 戻らない
という悩みが最も多い衣類のひとつです。
この記事ではアパレル歴20年の元店長が、
伸びたニットを戻す方法・伸びる原因・予防策を徹底解説します。
ニットが伸びる原因と伸びを戻す方法【元アパレル店長が徹底解説】
ニットが伸びる原因
まずは伸びてしまう理由を知ることが重要です。
1. ハンガーに長時間かけている
ニットは繊維が柔らかく、
ハンガーの重みで 肩〜裾まで徐々に伸びやすい。
✅特に伸びる部分
- 肩
- 襟ぐり
- 袖口
- 裾まわり
2. 着用時の摩擦(バッグ・机)
バッグのストラップが擦れると
肩・脇が伸びやすくなります。
机に腕を置く癖がある人も
袖口が横に広がる 原因になります。
3. 洗濯方法が間違っている
✅NG例
- 通常洗い
- 脱水を強くしすぎる
- 乾燥機の使用
- ネットなし
ニットは摩擦と水流に弱いので、
間違った洗い方は即伸びに直結します。
4. 糸の種類・編み方の問題
以下のニットは伸びやすい特性があります。
- ローゲージニット
- ざっくり編み
- アクリル高配合
- ゆるめの編み地
逆に伸びにくいのは…
- ハイゲージ
- ウール混
- ナイロン混
伸びたニットを戻す方法(実践編)
ここからは “戻すための具体的な方法” を解説します。
方法①:スチームで繊維を整える(最も簡単)
スチームは繊維をふっくら戻す効果があります。
手順
- ニットを平らな場所に置く
- 形を手で整える
- スチームアイロンを2〜3cm浮かせて当てる
- 繊維が温まったら手で優しく整える
- 完全に乾くまで置く
効果が高い部分
- 肩のヨレ
- 袖の伸び
- 裾のダルつき
※アイロンを直接当てるのはNG。
方法②:霧吹き+タオルで“縮ませる”
伸びた部分に水分を与えることで、
繊維が戻りやすくなります。
手順
- 霧吹きで伸びた部分を湿らせる
- 上からタオルを軽く押し当てて形を整える
- 平干しで乾燥
- 乾いたら再整形
特に肩の変形・裾の伸びに効果的。
方法③:洗面器で“軽く洗って形を戻す”
軽い洗浄によって繊維のクセが自然に戻ります。
手順
- 洗面器に30℃のぬるま湯
- おしゃれ着洗剤を少量入れる
- ニットを優しく押し洗い
- タオルで軽く脱水
- 平干ししながら形を整える
注意
強く絞らない
→ 余計に伸びる原因になります
方法④:縮みやすい“ナイロン混ニット”はお湯が効く
ナイロン混ニットは
30〜40℃のぬるま湯で繊維が締まりやすい特性があります。
手順
- ニット全体をぬるま湯に10分つける
- タオルドライ
- 形を整えて平干し
ざっくり編みニットに特に効果的。
方法⑤:専門店クリーニング
高級ニット(カシミヤ・ウール)は、
プロによる水流調整+蒸気仕上げが最も安全です。
- カシミヤ
- アンゴラ
- アルパカ
は家庭で無理に戻すと逆に傷む可能性があります。
ニットを伸ばさない予防策
伸びたニットを戻すより、
伸びない環境を作るほうがずっと簡単です。
1. ニットはハンガーではなく“平置き収納”
基本的に、ニットはハンガーに向いていません。
✅おすすめ収納
- たたんで棚へ
- 平置きボックス
- 引き出し収納
ハンガー跡・型崩れが大幅に減ります。
2. どうしてもハンガーに掛ける場合は“ニット専用ハンガー”
細いハンガーはNGです。
✅適したハンガー
- 厚みのある丸型
- ニット専用ハンガー
- 肩部分が広いタイプ
肩ダレを95%防ぎます。
3. バッグのストラップを左右入れ替える
片方の肩に荷重がかかり続けると
肩の伸びが加速します。
4. 洗濯は必ず“ネット・弱水流・短時間脱水”
ニットは摩擦に弱いため、
正しい洗い方が最重要。
5. 乾燥機は絶対NG
ニットの型崩れ・伸びの最大原因です。
まとめ:ニットは「整える×乾かす×摩擦を減らす」で戻せる
✅伸びたニット対策
- スチームで形を戻す
- タオル+霧吹きで整える
- 軽い押し洗いで繊維を整える
- ナイロン混はぬるま湯が効果的
- 高級ニットは専門店へ
✅予防策
- 平置き収納
- 専用ハンガー
- 摩擦を減らす
- 正しい洗濯方法
方法を知っていれば、
伸びたニットは“またきれいに着られます”。



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