
この記事は、アパレル歴20年の店長経験者が詳しく解説しています。【筆者プロフィール】
「洗うたびに色が落ちる」
「膝だけ薄くなる」
「ポケットまわりが白くなる」
デニムの色落ちは“宿命”と思われがちですが、実は落ち方にはパターンがあり、原因に合った扱いをすると色落ちスピードはかなり抑えられます。
元アパレル店長として、色落ちが起きる仕組みと、今日からできる「洗い方」「干し方」「摩擦の減らし方」を分かりやすくまとめました。
- デニムが色落ちする主な原因(最初に疑う順)
- 洗濯による色落ちを最小限にする“基本ルール”
- 膝・お尻・ポケットなど「部分的な色落ち」の原因と対策
- 色を守る干し方(陰干し・裏返し・乾燥機NGの理由)
- 買う前にできる「色落ちしにくいデニム」の選び方
尚、デニム以外の“濃色アイテムの色落ち”も気になる方は、共通する原因と対策を先に押さえると失敗が減ります。
デニムが色落ちする主な原因
| 原因 | 詳細 |
|---|---|
| インディゴ染料の性質 | 定着しにくく、水・摩擦・紫外線で落ちやすい |
| 摩擦 | 服同士・椅子・洗濯で表面が摩耗し白っぽくなる |
| 洗剤の強さ | アルカリ性洗剤は色を抜きやすい |
| 水温 | 温水ほど色素が動きやすく、色落ちが進みやすい |
| 直射日光 | 紫外線で色素が分解され、表面が退色しやすい |
| 洗濯頻度 | 回数が増えるほど、色落ちの総量も増える |
インディゴ染料は“落ちて当たり前”の素材
デニムに使われるインディゴ染料は、
元々「定着しにくい」染料。
✔ 特徴
- 摩擦に弱い
- 水に弱い
- 紫外線に弱い
- 色が落ちやすい反面、味が出る
デニムは色落ちだけでなく「縮み」もセットで起きやすいので、洗い方を一緒に整えると長持ちします。
各デニムの色落ち症状と対策
先に「どれが効くか」を早見表にまとめます。
あなたの悩みに近いものから優先すると、無駄がありません。
| 悩み(症状) | 原因の当たり | 最優先でやること |
|---|---|---|
| 洗うたびに全体が薄くなる | 洗剤・水温・摩擦 | 冷水+中性洗剤+裏返し+ネット |
| 膝だけ薄くなる | 伸縮+摩擦(特にストレッチ) | ストレッチ率低めへ/硬め生地を選ぶ |
| お尻・太ももが白い | 椅子との摩擦 | 座面対策(ブランケット等)+摩擦を減らす |
| ポケット周りだけ白い | 出し入れ摩擦 | ポケット使用頻度を下げる(小物は別へ) |
| 干すと色が抜けた気がする | 紫外線 | 陰干し+裏返し(乾燥機は避ける) |
1.洗濯による色落ちを最小限にする方法
① 裏返して洗う
摩擦が外側から内側へ変わるため、
色落ちを半分レベルに抑えられる。
② おしゃれ着洗剤(中性洗剤)を使う
一般洗剤(アルカリ性)は色を抜きやすい。
必ず下記を使用。
- アクロン
- エマール
- 中性タイプ
中性洗剤は“色落ち防止”だけでなく、摩擦ダメージも減らしやすいので、使い方を一度だけ確認しておくと安心です。
③ 水温は“必ず冷水”
温かい水ほど色素が落ちやすい。
→ 春夏も“冷水洗い”必須。
④ 洗濯ネットを使用
摩擦を減らし、表面が白くなるのを防ぐ。
⑤ 単独洗い
デニムは色移りしやすい。
他の衣類が青くなるだけでなく、
デニム同士で摩擦し余計に色落ちする。
色落ち=デニムの問題だけでなく、周りの服に“色移り”が起きるのが一番の事故ポイントです。応急処置も含めてこちらで確認できます。
2. 部分的な色落ちの原因と対策
■ 膝が薄くなる
→ 歩く時の伸縮・摩擦の積み重ね。
ストレッチデニムが特に起きやすい。
✅対策
- ストレッチ率を下げる
- 生地が硬めのデニムを選ぶ
膝の色落ちは、ストレッチデニムほど“伸縮=染料割れ”が起きやすいので、特性を知っておくと選び方が変わります。
■ お尻・太ももが白くなる
→ 椅子との摩擦が原因。
✅対策
- 車通勤・椅子の素材に注意
- ブランケットを挟むと摩擦減
椅子との摩擦は、デニムだけでなくスラックスでも“テカリ”として出やすいです。摩擦ケアの考え方は共通なので、気になる方はこちらも。
■ ポケットまわりだけ色落ち
→ 手の出し入れ・スマホの出し入れ摩擦。
✅対策
- ポケット負担が少ないコーデに変更
- 小物入れは別バッグへ移動
3. デニムを長持ちさせる“干し方”
✔ 陰干しが絶対
直射日光 → 色素破壊 → 青みが抜ける。
日陰干しなら色落ちしにくい。
✔ 裏返したまま干す
外側に紫外線が当たらず、
表面退色を防げる。
✔ 乾燥機はNG
高熱で繊維ダメージ → 色落ち+縮む。
“乾燥機NG”でも、実はタグでOK/NGが分かれるケースがあります。洗濯表示を一度だけ確認しておくと事故が減ります。
また、乾燥機は色落ちだけでなく“縮み・劣化”も同時に進みやすいので、全体の失敗パターンをまとめて潰すならこちらが早いです。
デニムの“買う前”にできる色落ち対策
① できるだけ“濃紺”を選ぶ
染料量が多いほど長持ち。
② ワンウォッシュを選ぶ
一度洗い加工されたデニムは、色落ちが安定しやすい。
③ ストレッチ率が低いもの
伸縮するたびに染料が割れるため、
ストレッチは色落ちしやすい。
色落ちを味として楽しみたい人は?
- セルビッジデニム
- リジッドデニム
- ノンウォッシュ
これらは“育てるデニム”として楽しめます。
定期洗濯と摩擦のバランスで、自分だけの色落ちに育つ。
「色落ちを楽しみたいけど、古く見えるのは嫌…」という人は、“今っぽく見えるデニムの条件”も一緒に押さえると安心です。
まとめ:デニムの色落ちは“扱い方”で大きく変わる
デニムの色落ちは避けられない面もありますが、実際は「摩擦」と「洗い方」の影響が大きく、扱いを変えるだけで色持ちはかなり改善します。
✅今日からできる色落ち防止ポイント
- 洗濯は裏返し(表面摩擦を減らす)
- 冷水+中性洗剤(色を抜きにくい)
- 洗濯ネット+単独洗い(摩耗と色移りを防ぐ)
- 陰干し+裏返し干し(紫外線退色を防ぐ)
- 部分色落ちは摩擦ポイント(膝・椅子・ポケット)を先に潰す
✅最短で効果を出すなら、この順番
- 冷水+中性洗剤に変える
- 裏返し+ネット+単独洗いを徹底する
- 陰干し(できれば裏返し)に切り替える
- 膝・お尻・ポケットの“摩擦習慣”を減らす
デニムは正しいケアをすれば、本来とても長持ちする素材です。
あなたの1本を「長く大切に穿ける」状態にしてみてください。












コメント