
この記事は、アパレル歴20年の店長経験者が詳しく解説しています。【筆者プロフィール】
- 「同じように洗ってるのに、この服だけ縮む…」
- 「毛玉がすぐできて、古く見える…」
- 「黒が白っぽくなる/色移りした…」
- 「洗っても臭いが残る…」
こういう“服のトラブル”は、センスや運ではなく素材の弱点がほぼ原因です。

アパレル販売員の現場感としても、結局は「素材に合わない洗い方・着方・乾かし方」をしているケースがほとんどでした。
そこでこの記事は、縮み・毛玉・色落ち・臭いを「素材別に逆引き」できる辞典として、あなたの服の素材に合わせて、最短で正解にたどり着けるようにまとめてみました。
- 素材ごとに起きやすいトラブル(縮み/毛玉/色落ち/臭い)が分かる
- 症状が出たときに「まず疑う原因」と「最初の一手」が分かる
- 失敗を繰り返さない洗濯・乾燥・着用のコツが分かる
- さらに詳しく知りたい人向けの関連記事(導線)が見つかる
尚、「忙しい方」や「ポイントだけを知りたい方」は、下の【目次】から本文内の各項目へ簡単に進めるので、タップしてみてください。
まずは全体像:素材×トラブル 早見表(逆引き)
最初に「この素材は何が起きやすい?」を把握すると、迷わなくなります。
下の表で当たりをつけて、該当セクションへ進んでください。
| 素材 | 縮み | 毛玉 | 色落ち/色あせ | 臭い残り | ひと言メモ(弱点) |
|---|---|---|---|---|---|
| コットン(綿) | 起きやすい | 起きにくい〜普通 | 濃色は注意 | 皮脂残りで起きる | 熱と乾燥機で縮みやすい |
| ウール/ニット | 起きやすい | 起きやすい | 摩擦で傷みやすい | 湿気で戻りやすい | 摩擦+温度変化でフェルト化しやすい |
| レーヨン | かなり起きやすい | 普通 | 汗で変色注意 | 乾きにくいと残る | 水に弱く、濡れると強度が落ちやすい |
| ポリエステル | 起きにくい | 起きやすい | 濃色は摩擦注意 | 起きやすい | 皮脂が残りやすく、臭いが落ちにくい傾向 |
| アクリル | 起きにくい | かなり起きやすい | 摩擦で白っぽくなる | 普通 | 毛玉の主役。摩擦と静電気で絡みやすい |
| デニム(綿中心) | 起きやすい | 普通 | 色落ちしやすい | 普通 | 色落ちと縮みの両方が起きやすい |
症状から逆引き:まず疑う原因と最初の一手
「素材が分からない」「混紡で判断が難しい」人は、症状ベースで逆引きが早いです。
まずはここで“原因の当たり”を付けてください。
| 症状 | まず疑う原因 | 最初の一手(失敗を止める) | 該当しやすい素材 |
|---|---|---|---|
| 縮んだ | 乾燥機/高温、脱水長め、摩擦 | 乾燥機を止める+短脱水に寄せる | 綿、ウール、レーヨン、デニム |
| 毛玉が増えた | 摩擦、ネットなし、乾燥機、静電気 | 裏返し+ネット+弱水流(乾燥機は避ける) | アクリル、ポリ、起毛、ニット |
| 色が薄くなった/白っぽい | 摩擦、洗剤成分、強い水流、直射日光 | 裏返し+ネット+中性寄り+陰干し | 黒T、濃色、デニム |
| 洗っても臭いが残る | 皮脂残り、すすぎ不足、乾燥遅れ(菌) | 首/脇を部分洗い+速乾(風+除湿) | ポリ、スポーツ系、厚手 |
トラブル① 縮み(素材別の原因と対策)
起きる理由
縮みは基本的に「熱」「摩擦」「素材特性」の組み合わせで起きます。
特に綿・ウール・レーヨンは縮みやすい代表で、乾燥機や脱水の強さで差が出ます。
起きやすい服の種類
- ニット、ウールコート、レーヨン混ブラウス
- デニム、綿100Tシャツ、スウェット
最短で解決したい人は、こちらから
縮み対策を「洗濯〜乾燥」まで手順で固めたい方はこちら。
デニムの縮みは“構造由来”も絡むので、当てはまる方はここが早いです。
レーヨンは別格で縮みやすいので、該当が多い方は先に注意点を下の記事からチェックしてください。
対策(縮みを防ぐ要点)
- 乾燥機は原則避ける(使うなら短時間の仕上げだけ)
- 迷ったら「弱水流+短脱水(30秒〜1分)」に寄せる
- ニットは平干しで形を整える(濡れ重みの伸び対策)
トラブル② 毛玉(素材別の原因と対策)
起きる理由
毛玉は「素材」「摩擦」「洗濯ダメージ」でほぼ決まります。
特にアクリル・ポリエステルなど化繊が多い服は、摩擦で繊維が絡まりやすい傾向があります。
起きやすい服の種類
- ニット、フリース、コートの袖・脇・バッグが当たる部分
最短で解決したい人は、こちらから
まず「なぜ毛玉ができるか」を原因分解したい方はこちら。
コートの毛玉は“部位別の摩擦”で起きやすいので、ピンポイントならこちら。
フリースは構造上毛玉が出やすいので、該当するならここが早いです。
対策(毛玉を増やさない要点)
- 裏返し+ネット+弱水流(乾燥機は避ける)
- 摩擦の多い日はバッグの当たり方を変える/連続着用しない
- 毛玉は“早めに取る”(引っ張らず表面だけ整える)
トラブル③ 色落ち・色あせ(素材別の原因と対策)
起きる理由
色あせの主因は洗濯による摩擦と洗剤成分による染料の脱落。
標準コースの強い水流、漂白成分入り洗剤、すすぎ不足が重なると加速します。
起きやすい服の種類
- 黒T、濃紺デニム、黒スキニーなど濃色アイテム
最短で解決したい人は、こちらから
色あせを「洗い方〜干し方」までセットで固めたい方はこちら。
洗濯表示の見落としが原因になることも多いので、基本に戻るならこちら。
対策(色を守る要点)
- 裏返し+ネットで摩擦を減らす
- 中性寄り洗剤、短時間・弱水流へ寄せる
- 直射日光を避けて陰干し(退色防止)
トラブル④ 臭い残り(素材別の原因と対策)
起きる理由
臭いが落ちない原因は大きく皮脂残りと生乾き(菌)の2系統。
原因が違うと、効く対策もズレます。
また、ポリエステルは構造的に皮脂が残りやすく、臭いが落ちにくい傾向が出やすいです。
起きやすい服の種類
- ポリエステルTシャツ、スポーツウェア、脇・首まわりが濃い服
最短で解決したい人は、こちらから
臭いの原因を「皮脂残り/生乾き」で切り分けたい方はこちら。
生乾き臭が再発する人は、原因が“乾くまでの時間”にあることが多いです。
ポリエステル特有の臭い残りに悩むならこちら。
対策(臭いを残さない要点)
- 首・脇は部分洗い(全体洗いだけだと皮脂が残りやすい)
- すすぎ不足を避ける(洗剤残りも臭いの元)
- 速乾が最優先:風+除湿で「湿った時間」を短くする
NG例 → OK例(素材トラブルを起こす行動パターン)
❌ NG例:
- 乾燥機で一気に仕上げる(縮み・毛玉・テカりが加速)
- 濃色をそのまま標準コースでガラガラ洗う(色あせ加速)
- ポリTの首・脇を全体洗いだけで済ませる(臭い残り)
⭕ OK例:
- 迷ったら「弱水流+短脱水+陰干し」で守りに寄せる
- 濃色は「裏返し+ネット+短時間」で摩擦を減らす
- 臭いは「部分洗い+速乾」で原因(皮脂/菌)を断つ
→ 素材の弱点に合わせて“地雷だけ避ける”と、トラブルが一気に減ります。
今日からできる正しい方法(トラブル別チェック表)
まずは「何を確認すればいいか」を、最短ルートで表にしました。
この表に沿ってチェックしてから洗うだけで、失敗が減ります。
| トラブル | 最初に見る | やること(基本) | 避けたいこと |
|---|---|---|---|
| 縮み | 乾燥表示・素材(綿/ウール/レーヨン) | 弱水流+短脱水+陰干し/平干し | 乾燥機・高温・長脱水 |
| 毛玉 | 摩擦が多い部位・化繊率 | 裏返し+ネット+弱水流 | 乾燥機・強水流・連続着用 |
| 色落ち/色あせ | 濃色・デニム・洗剤成分 | 裏返し+ネット+中性寄り+陰干し | 漂白成分・直射日光・強摩擦 |
| 臭い | 首/脇の皮脂・乾きにくさ | 部分洗い+すすぎ+速乾(風+除湿) | 放置・詰め干し・乾燥遅れ |
表で当たりを付けたら、あとは次の「実践アクション」を固定するだけです。
実践アクション(6つ)
- タグで「素材」と「乾燥表示」だけ先に確認
- 迷ったら弱水流へ寄せる(おしゃれ着コース)
- 脱水は短め(30秒〜1分)に寄せる
- 濃色は裏返し+ネット(摩擦を減らす)
- 首・脇は部分洗いを足す(臭い対策の要)
- 風+除湿で速乾(湿っている時間を短くする)
まとめ
素材トラブルは、センスや運ではなく「素材の弱点」を知らないまま、同じ洗い方・同じ着方をして起きるケースがほとんどです。
ポイントは、原因を4つ(縮み・毛玉・色落ち・臭い)に分けて考えること。
- 縮みは「熱×摩擦」が主因。乾燥機や高温、長い脱水が引き金になりやすい。
- 毛玉は「素材×摩擦」で増える。アクリル・ポリエステルなど化繊が多いほど出やすい傾向。
- 色落ち・色あせは「摩擦×洗剤成分×日光」で進む。濃色ほど影響が目立つ。
- 臭いは「皮脂残り」か「乾燥遅れ(菌)」のどちらか。原因が違うと対策もズレます。
迷ったときは、まずタグで「素材」と「乾燥表示」を確認し、弱水流+短脱水+陰干しに寄せるのが安全策です。
濃色は裏返し+ネット、ニットは平干し、臭いは首・脇の部分洗いと速乾(風+除湿)。
この“地雷回避”だけでも失敗はかなり減ります。
あとは本記事の早見表で当たりを付け、気になる素材・症状の関連記事へ進めばOKです。
原因を潰す順番が明確になるので、「同じ服だけトラブルが起きる」状態から抜け出せます。













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