
この記事は、アパレル歴20年の店長経験者が詳しく解説しています。【筆者プロフィール】
「フェイクレザーって本革より劣化しやすい?」
「表面がベタつく・ひび割れるのはなぜ?」
「水に強いと思っていたら、逆に傷みやすかった…」
フェイクレザー(合成皮革・PUレザー)は、本革のような見た目を実現しつつ、軽くて扱いやすい人気素材。
しかし、劣化・剥離・ベタつき・ひび割れ・型崩れが起こりやすく、間違った保管・洗濯をすると寿命が一気に短くなります。
特にフェイクレザーは「水に強い=何でもOK」ではなく、湿気・汗・熱が重なると劣化(加水分解)が進みやすい素材で、さらに本革と同じ感覚でクリームを塗ったり、湿気がこもる場所に置いたりすると、表面のベタつきや剥がれが加速することも。
逆にいえば、“合皮の弱点”を理解して、拭き取り・保管・温度管理の3点を押さえるだけで、見た目の劣化はかなり遅らせられます。
そこで本記事では、元アパレル店長としての視点から、フェイクレザーの特徴とトラブル原因、正しいケア方法をわかりやすく解説します。
- フェイクレザーで起こりやすいトラブル(ベタつき/剥離/ひび割れ/型崩れ)一覧
- ベタつき・剥離が起こる理由(加水分解)と、日常でできる予防策
- ひび割れが起こる原因(乾燥・摩擦・硬化)と、割れやすい部位の注意点
- 型崩れの原因(熱・圧力・収納)と、変形を防ぐ保管方法
- NG例→OK例で分かる「本革扱いがダメな理由」と正しいケアの考え方
- 今日からできる“チェックポイント5つ”と、実践手順
フェイクレザーで起こりやすいトラブル一覧
| トラブル内容 | 主な原因 | 起きやすいアイテム |
|---|---|---|
| ベタつき・剥離 | 水分・湿気・加水分解による劣化 | バッグ・ジャケット・靴 |
| ひび割れ | 乾燥・摩擦・経年劣化 | ボトムス・小物 |
| 型崩れ | 熱・圧力・収納方法の影響 | バッグ・アウター |
ベタつき・剥離が起こる理由(最も多いトラブル)
フェイクレザーは、
ポリウレタン(PU)樹脂を表面にコーティングしています。
しかしPUは“加水分解(かすいぶんかい)”という化学反応を起こし、水分・湿気・汗に触れると徐々に分解され、以下のような劣化が発生します。
- 表面がベタつく
- ポロポロ剥がれる
- 粉のように崩れる
これは“素材の特性”であり、どんなフェイクレザーでも避けられません。
この“PU(ポリウレタン)の加水分解”は、下の記事から劣化条件と予防を整理すると理解が早いです。
ベタつき対策
- 湿気の少ない場所に保管
- 風通しを良くする
- 汗がついたら早めに拭き取る
- 雨の日はできるだけ使用しない
ベタつき対策は結局「収納の湿気管理」で差が出るので、除湿剤を“効く置き方”で使えると効果が安定します。
ひび割れが起こる理由
PUレザーは柔らかい反面、
乾燥・摩擦・経年劣化によって硬化し、表面にひび割れが出やすい素材です。
特に…
- タイトなパンツ
- 荷物が多いバッグ
- よく曲がる部分
これらは割れやすくなります。
ひび割れ対策
- 乾燥しすぎない環境で保管
- 保湿クリームは“フェイクレザー専用”を使用
- 湿気と直射日光を避ける
- こまめに柔らかい布で表面を拭く
型崩れが起こる理由
フェイクレザーは熱に弱く、
高温状態になると表面が変形・縮むことがあります。
また、柔らかさがあるため、バッグは中身の重さで形が崩れやすい特徴もあります。
型崩れ対策
- 車の中など高温環境に放置しない
- バッグは中に詰め物をして保管
- ハンガーは肩幅の合うものを使用
- きつい折り畳みはNG
型崩れはフェイクレザーに限らず“置き方と収納のクセ”で固定されます。
保管の基本をまとめて確認したい方はこちら。
NG例 → OK例で理解するフェイクレザーケア
❌ NG例:本革と同じ扱いをする
- レザークリームを塗る
- 水拭きする
- 湿気の多い場所で保管
- 高温になる場所に置く
→ 結果:
ベタつき・剥離・ひび割れが加速し、一気に寿命が短くなる。
本革は“種類によって正解ケアが違う”ので、フェイクレザーと混同しないためにも一度整理しておくと失敗が減ります。
⭕ OK例:合成皮革の特性に合わせる
- 乾いた柔らかい布で拭くだけでOK
- 湿気の少ない場所で保管
- 専用クリーナーを使用
- 雨の日は使用しない
→ 改善:
ベタつき・剥離・ひび割れを最大限防ぎ、長く使える。
今日からできるフェイクレザーの正しい扱い方
フェイクレザーは、「湿気」と「熱」を避けつつ、汚れは“ためない”だけで寿命が伸びやすい素材です。
| チェックポイント | 今日からできる具体策 | 放置・NGだと起きること |
|---|---|---|
| ① 湿気の少ない場所で保管 | 密閉収納を避けて風通し確保(除湿剤も併用) | 加水分解が進み、ベタつき・剥離が早まる |
| ② 高温放置をしない | 車内・暖房の近く・直射日光の当たる場所を避ける | 表面が変形・縮み、型崩れや硬化につながる |
| ③ 汗・雨は“当日中に”拭く | 乾いた柔らかい布で優しく乾拭き(濡れたら水分だけ素早く取る) | 水分が残り、ベタつき・剥がれ・臭いの原因になる |
| ④ 形を潰さない収納にする | バッグは詰め物、アウターは肩幅の合うハンガー。折り畳みは最小限 | クセが固定され、シワ・折れ・型崩れが戻りにくい |
| ⑤ クリームは“合皮専用”以外NG | 基本は乾拭き+必要なら合皮専用クリーナーのみ | 表面がベタつく/コーティングが傷みやすくなる |
まずは上の5つをチェックリスト化するだけで、ベタつき・剥離・ひび割れの進行をかなり抑えられます。
ここから各項目を、もう少しだけ具体的に解説します。
① 湿気の少ない場所で保管
フェイクレザー最大の敵は湿気です。
クローゼットや棚に“ぎゅうぎゅう”で入れると空気が動かず、加水分解が進みやすくなるため、風通し+除湿をセットにすると安定します。
まずは、下の記事から“8割収納”に整えるだけでも劣化予防になります。
また、「密閉保管」はフェイクレザーにとってリスクが高いため、省スペ目的で圧縮袋を使う人は、NG例だけでも先に確認しておくと安心です。
さらに、湿気がこもると、劣化だけでなく“カビ”にも繋がるため、収納環境を整えるチェック用にこちらもどうぞ。
② 高温放置をしない
PUは熱に弱く、高温で表面が変形したり硬くなったりします。車内放置や暖房の近くは避け、温度が上がりやすい環境に置かないのが鉄則です。
③ 汗・雨は“当日中に”拭く
「少し濡れただけだから」と放置すると、表面の劣化が進みやすくなります。
濡れた日は帰宅後にサッと水分を取り、最後は乾いた布で乾拭きしておくと安心です。
また、汗・雨の放置は劣化だけでなく“臭い残り”の原因にも繋がるため、気になる方は、臭いの落とし方の基本も一緒にどうぞ。
④ 形を潰さない収納にする
型崩れは“置き方のクセ”で増えます。
バッグは詰め物で立体を保ち、アウターは肩幅の合うハンガーで支えると、折れや変形が固定されにくくなります。
また、フェイクレザーは“オフシーズン保管”で一気に差が出るため、衣替えで失敗しがちなポイントを先に押さえると安心です。
⑤ クリームは“合皮専用”以外NG
本革用のオイルやクリームは、フェイクレザーには逆効果になりがちです。
基本は乾拭きで十分。必要なときだけ合皮専用のケア用品に絞るのが失敗しません。
この5つを習慣にすると、フェイクレザーの“見た目の寿命”を伸ばしやすくなります。
まとめ:フェイクレザーは“湿気と熱”が最大の敵
フェイクレザーは扱いやすく、デザインも豊富で人気素材ですが、加水分解によるベタつき・剥離、ひび割れ、型崩れといった弱点があります。
特に「湿気がこもる保管」「高温放置」「濡れたまま放置」「本革用クリーム」は劣化を早めやすいので注意が必要です。
ただし、フェイクレザーは“ケアを頑張る”よりも、劣化の引き金を避けるほうが効果的。
今日からは次の流れで管理すると失敗しにくくなります。
- 保管は風通し優先(密閉・湿気を避ける)
- 車内や直射日光など高温環境に置かない
- 汗・雨は当日中に乾拭きでリセットする
- 形が潰れない収納(詰め物・肩幅ハンガー)にする
- クリームは合皮専用以外は使わない(基本は乾拭き)
このポイントを実践し、お気に入りのフェイクレザーアイテムを長く楽しんでください。












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