ニット・スウェット・コート…
「すぐに毛玉ができて汚く見える」「素材が原因?洗濯?」
という相談は、アパレル店長時代に最も多い悩みの1つでした。
毛玉は“偶然”ではなく、素材・摩擦・繊維の構造によって発生します。
この記事では、アパレル歴20年の元店長が
毛玉ができやすい服の特徴と、今日からできる防止策をわかりやすく解説します。
毛玉ができる原因と正しい対策【元アパレル店長が徹底解説】
毛玉ができる主な原因
毛玉は次の5つの理由で発生します。
特に「摩擦 × 化繊(化学繊維)」の組み合わせが最大の原因です。
1. 化学繊維(アクリル・ポリエステル)が多い服
毛玉は 化繊ほどできやすい という性質があります。
✅理由
- 繊維が強く切れにくい
- 絡まった毛が落ちず残る
- 摩擦に弱い
✅毛玉ができやすい素材
- アクリル
- ポリエステル
- ナイロン
✅逆に毛玉ができにくい素材
- ウール(天然繊維)
- 綿
- カシミヤ
- シルク
化繊100%のニットが毛玉だらけになりやすいのはこのためです。
2. 摩擦が多い(バッグ・デスク・腕の動きなど)
毛玉の原因の80%は摩擦。
✅日常で摩擦が起きやすい場所
- 腕の付け根
- 脇腹
- 背中(リュックの肩紐)
- 袖口
- 前身頃(机にこすれる)
- 太もも(パンツの内側)
※毛玉は「よく動く部分」に集中します。
3. 糸の撚り(より)が甘い服
ニットは「糸をどれだけ tightly ねじって作るか」で強度が変わります。
- 撚りが弱い(ふんわり系) → 毛玉ができやすい
- 撚りが強い(ハイゲージ系) → 毛玉ができにくい
特にローゲージ(太いニット)は毛羽立ちやすい特徴があります。
4. 洗濯で繊維が傷んでしまっている
洗濯のたびに繊維が毛羽立ち、絡まり、毛玉が形成されます。
✅NG洗濯例
- 裏返さず洗う
- ネットを使わない
- 普通洗剤を使う
- 手洗い推奨を洗濯機で回す
- 脱水が強すぎる
これらは毛玉を大量に発生させる原因に。
5. 静電気によって繊維が絡まりやすい(冬に増える理由)
静電気で毛が引き寄せられ、絡み、そこから毛玉が始まります。
特に乾燥する冬は化繊ニットで毛玉が急増します。
今日からできる毛玉対策(即効性の高い順)
1. 洗濯は「裏返し+ネット+おしゃれ着洗い」が基本
これだけで毛玉発生が激減します。
✅毛玉防止の洗濯セット
- 裏返す
- 洗濯ネットに入れる
- おしゃれ着洗剤を使う
- 弱水流(ドライコース)
- 脱水は短め
- 平干しする
店長時代にも“毛玉対策の基本の3点セット”として全スタッフが案内していました。
2. 摩擦が多い部分に「静電気防止スプレー」
摩擦と静電気はセットで毛玉の原因になります。
✅効果
- 繊維の絡みを防ぐ
- 冬場の毛玉発生を大幅に減らせる
- ニット・スカート・パンツすべてに対応
特にアクリル系ニットは効果抜群。
3. 毛玉ができやすい“アクリル高配合”を避ける
素材選びが最強の予防策です。
✅毛玉ができやすい素材ランキング
アクリル > ポリエステル > ナイロン > ウール > 綿
アクリル80〜100%のニットは特に毛玉が早いです。
逆に…
- ウール混
- メリノウール
- コットン
- カシミヤ
は比較的きれいな状態で長く着られます。
4. 毛玉取り機ではなく「毛玉ブラシ」を使う
毛玉取り機は便利ですが、
強く当てると生地を削り、さらに毛玉が発生しやすくなる という欠点があります。
✅おすすめ
- ニットブラシ
- スーツ用ブラシ
- 毛流れを整える柔らかいブラシ
これらは生地を傷めず、表面を整えてくれるため安全。
5. バッグの摩擦を減らす(肩紐が当たる部分)
バッグが当たる部分は毛玉の発生率が最も高いです。
✅対策
- バッグを左右で持ち替える
- ショルダー部分を滑りにくい素材に変える
- リュックの肩パッドを薄いタイプに変更
服の寿命が一気に変わります。
毛玉ができにくい素材ランキング
| 毛玉の出にくさ | 素材 |
|---|---|
| ◎(ほぼ出ない) | コットン、カシミヤ、シルク |
| ○(比較的出にくい) | メリノウール、リネン |
| △(普通に出る) | ポリエステル、ナイロン |
| ×(非常に出やすい) | アクリル、ローゲージニット |
店頭で失敗しない“毛玉になりにくい服”の選び方
購入前にここだけ見ればOK。
- 表面が毛羽立っていない
- 毛並みが均一である
- アクリルが高すぎない(30%以上は注意)
- 糸がしっかり撚られている(ハイゲージ系)
- 触ったときに“毛が浮かない”服を選ぶ
店頭で“少しでも毛羽立ちがある商品”は、数回の着用で毛玉化が早いです。
まとめ:毛玉は「素材・摩擦・洗濯」の3つで防げる
✅毛玉の原因
- 化繊が多い
- 摩擦が多い部位がある
- 糸の撚りが甘い
- 洗濯ダメージ
- 静電気の影響
✅毛玉対策
- 裏返し+ネット+おしゃれ着洗い
- 静電気を抑える
- アクリル高配合の服を避ける
- 毛玉ブラシでケアする
たったこれだけで、毛玉の発生は劇的に減ります。



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