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ニットがチクチクする原因と対策【元アパレル店長が解説】

服のトラブル

寒い季節に欠かせないニットですが、「着るとチクチクして痒い…」と感じることはありませんか?

実はニットがチクチクするのには、素材・繊維の太さ・肌質・加工方法など、明確な原因があります。

この記事では、アパレル歴20年の元店長が「ニットがチクチクする理由」と、今日からできる対策を分かりやすく解説します。

ニットがチクチクする原因と対策【元アパレル店長が解説】

ニットがチクチクする主な原因

ニットのチクチクは“理由さえ分かれば”改善できます。

まずは、特に多い原因から見ていきましょう。

1. ウールの「繊維が太い」ため刺激になる

ニットのチクチクのほぼ8割はこれ。

ウールは「繊維が太い=硬い=肌を刺激しやすい」特徴があります。

繊維の太さの目安(ミクロン値)が大きいほどチクチクしやすいです。

素材ミクロン値チクチク度
ローゲージウール25〜40μm強い
普通のウール20〜25μm
メリノウール16〜19μm弱い
カシミヤ14〜16μmほぼ無し
ベビーアルパカ18〜20μm弱い

太さが全てではありませんが、数字が小さいほど肌触りが良いのは事実です。

2. 化繊(アクリル・ナイロン)が静電気で刺激を感じやすい

化繊自体は柔らかいのですが、“静電気が起きやすい → 肌に張りつく → 刺激に感じる”という流れが多いです。

アクリル高配合のニットは特に乾燥した冬にチクチクを感じやすくなります。

3. 洗濯で「繊維が硬化」してしまっている

ウールを普通洗剤で洗うと

  • 表面が固くなる
  • 毛羽立つ
  • 皮膚に触れやすくなる

という“チクチク増幅状態”になります。

洗濯タグを誤って扱うと、買った時よりチクチクする原因になります。

4. 肌が乾燥している(肌質要因)

冬は肌が乾燥し、刺激を感じやすい状態に。

同じニットでも「冬だけチクチクする」という声は多いです。

肌が敏感になっていると、化繊でもウールでも刺激が増えます。

5. インナーとの相性が悪い

・ツルツル系のインナー
・静電気が起きやすい下着
・伸縮性が弱いアンダーウェア

こういったインナーと合わせると、ニットの繊維が肌に触れやすくなりチクチクの原因に。

今日からできるニットのチクチク対策

即効性が高い順に紹介します。

1. 肌に直接触れないよう薄いインナーを着る

チクチク対策として最も効果が大きいです。

おすすめのインナー

  • コットン100%
  • ヒートテックの“コットンブレンド”タイプ
  • 化繊でもマット質感のタイプ
  • シームレスでフィット感のあるもの

避けたいインナー

  • サテン
  • ナイロン100%
  • 伸縮しないタイプ
    → 静電気が起きやすく、かゆみの原因になります。

2. 柔軟剤ではなく「おしゃれ着洗剤」+“柔らかくする加工”を使う

ウールは通常の洗剤だと硬化しやすい素材です。

おすすめのケア

  • おしゃれ着洗剤(エマール・アクロンなど)
  • すすぎの時に柔らかくする加工剤
  • 乾かすときは平干し

「おしゃれ着洗い × 平干し」で新品の柔らかさに近づきます。

3. チクチクしにくい“ミクロン値の小さい”ニットを選ぶ

選ぶべき素材

  • メリノウール
  • カシミヤ
  • ベビーアルパカ
  • メリノブレンド

避けたい素材

  • 太いウール
  • ハリの強いローゲージ
  • アクリル高配合のニット

店頭では「メリノウール何%ですか?」と聞くと失敗が減ります。

4. 静電気を抑える対策をする

  • 部屋の加湿
  • 静電気防止スプレー
  • 綿のインナー
  • 乾燥しすぎない保湿ケア

化繊多めのニットは静電気で刺激を感じやすいため、湿度が大きなカギになります。

5. ニットの裏側を“柔らかくするブラシ”で整える

アパレルの裏技のひとつ。

  • ニット専用ブラシ
  • メンズのスーツ用ブラシ
  • 毛玉取りブラシ(優しめのやつ)

で、裏面(肌側)を軽く整えると、繊維が寝て肌への刺激が減ります。

6. 敏感肌の人は「綿ニット」か「コットンカシミヤ」が安全

肌が弱い人は、ウールではなく

  • 綿100%ニット
  • 綿×カシミヤブレンド
  • コットンリブニット

に切り替えるとかなり楽になります。

チクチクしやすい素材ランキング

肌が敏感な人向けに、素材の刺激度をまとめました。

刺激度素材
強い厚みのあるウール、ローゲージウール
普通のウール、アクリル
弱いメリノウール、ベビーアルパカ
ほぼ無しカシミヤ、コットン、シルク

肌質が弱めの人は、まず“弱い〜ほぼ無し”の素材から選ぶのが安全です。

店頭で失敗しないニットの選び方

店長時代の経験から、購入前にチェックすべきポイントは以下の5つ。

  • 首元がチクチクしないか(首は刺激に敏感)
  • 袖口の肌当たりが痛くないか
  • 素材表示で「メリノ」「カシミヤ」が入っているか
  • 試着時に“インナーなしで軽く触れる”
  • ミクロン値を聞けるなら聞く

チクチクしないニットは、見ただけでは判断できません。

首まわりと袖でのテストが最も正確です。

まとめ:ニットのチクチクは「素材」と「肌に触れさせない工夫」で解決します

チクチクの主な原因

  • 繊維が太いウール
  • 静電気
  • 洗濯ダメージ
  • インナーの相性
  • 肌の乾燥

効果が高い対策

  • コットン系インナーを着る
  • おしゃれ着洗いをする
  • メリノ・カシミヤなど刺激の少ない素材を選ぶ
  • 静電気を抑える
  • 裏側の繊維を整える

この5つを押さえれば、ほとんどの“チクチク問題”は改善できます。

ニットは素材選びとケア方法さえ分かれば、快適に長く着られるアイテムです。
ぜひ今日から試してみてください。

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