ブラウス、ワイドパンツ、スカートなどに使われる
「とろみ・落ち感」が魅力のレーヨン。
しかし、レーヨンには、
「縮む・シワになる・水に弱い・重い」
という“知られざる弱点”が存在します。
アパレル歴20年の元店長として、
レーヨンの弱点と、正しい扱い方をわかりやすく解説します。
レーヨン素材の弱点と正しい扱い方【元アパレル店長が徹底解説】
レーヨン素材の特徴まとめ【一覧表】
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 艶感 | 上品で落ち感がある |
| 通気性 | 良い(天然由来) |
| 吸水性 | とても高い |
| 弱点 | シワ・縮み・水に弱い |
| 強度 | 濡れると極端に弱くなる |
| 肌触り | さらさら・とろみ感 |
レーヨンの弱点①:とにかく“縮みやすい”
▶ 水に触れると縮む(フェルト化に近い現象)
レーヨンは水を含むと
繊維同士が詰まり、風合いが変化しやすい素材。
洗濯で数センチ単位で縮むこともある。
対策
- 洗濯表示を必ず確認
- 基本は「手洗い or クリーニング」
- 脱水は短時間
- 乾燥機NG(確実に縮む)
レーヨンの弱点②:シワになりやすい
レーヨンは吸水力が高いため、
ちょっと湿気を含むだけで“シワが固定されやすい”。
特に…
- スカート
- ワイドパンツ
- とろみブラウス
は折りたたむとシワが目立つ。
対策
- できるだけ吊り干し
- スチームアイロンで整える
- 収納は畳まずハンガー推奨
レーヨンの弱点③:濡れると強度が大きく落ちる
乾いている時は強度があるが、
濡れた瞬間 “弱くなる素材No.1” と言ってもいい。
- 洗濯中に破れやすい
- 濡れた状態で引っ張ると生地が伸びる
- 摩擦に弱くなる
対策
- 濡れている時は絶対に引っ張らない
- 洗濯ネット必須
- ドライクリーニングが最も安全
レーヨンの弱点④:生地が重く、伸びやすい
落ち感のある生地=“重みがある”ため、
吊った状態で伸びてしまうことがある。
特に…
- ワンピース
- ロングスカート
- ワイドパンツ
これらは重みで丈が伸びやすい。
対策
- ハンガーより平干し(可能なら)
- 長時間の吊り下げを避ける
- 裾が伸びてきたらスチームで戻す
レーヨンの弱点⑤:汗で変色・輪ジミが出る場合がある
吸水性が高いゆえに、
汗が集中すると“汗染み・輪ジミ”が起こりやすい。
対策
- 脇汗パッドを使う
- 夏はインナーを着る
- 洗濯はこまめに(放置NG)
レーヨン素材のメリット(良い点もある)
- とろみ・落ち感が綺麗
- 高級感のある艶
- さらっとした肌触り
- 通気性が良い
- 化学繊維っぽくない自然な質感
レーヨンは“弱点に気さえつければ最高の素材”です。
レーヨンを選ぶときのポイント
1. 混紡率を見る
- レーヨン100% → 風合い◎だが弱い
- レーヨン×ポリエステル → 扱いやすい
- レーヨン×ナイロン → 強度UP
2. 洗濯表示を必ず見る
「水洗い不可」表示が多い素材。
3. 形が崩れやすいので仕立ての良さが大事
縫製の粗いレーヨン服は型崩れが早い。
まとめ:レーヨンは“扱い方がすべて”のデリケート素材
✅弱点
- 縮む
- シワ
- 濡れると弱い
- 伸びる
- 汗染み
✅対策
- 洗濯方法を守る
- 平干し中心
- 混紡素材も検討
- スチームで整える
適切なケアで、レーヨンは長く着られる素材になります。



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