「セーターがすぐ毛羽立つ」
「買ったばかりなのにケバケバして見える」
「毛玉とは違う“ふわふわの毛”が気になる…」
こんな悩みは、秋冬のニットでよく起こるトラブルです。
実は、毛羽立ち・ケバ立ちは素材特性だけでなく、
摩擦・洗い方・着用環境など多くの要因で起こります。
そこでこの記事では元アパレル店長として、
セーターが毛羽立つ原因と、今日からできる正しい対策をまとめます。
セーターの毛羽立ち(ケバ立ち)の原因と対策【元アパレル店長が解説】
セーターの毛羽立ち・ケバ立ちの主な原因
まずは、なぜ毛羽立ちが起こるのか原因を整理してみましょう。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 繊維が短い素材 | アクリルやウールなど、毛が抜けやすい特性がある |
| 摩擦が多い | バッグ・アウターとの擦れで表面が荒れやすい |
| 洗濯方法の問題 | ネットなし・長時間洗いで繊維が絡む |
| 静電気の発生 | 乾燥時期にホコリが付きやすく、毛羽が目立つ |
| 保管環境の問題 | ぎゅうぎゅう収納で繊維が押しつぶされる |
ここからは、原因別に詳しく解説します。
1. 繊維が短く、毛羽立ちやすい素材を使っている
セーターは素材の影響を受けやすく、
短い繊維を使った糸ほど毛羽立ちが起こりやすくなります。
✔ 毛羽立ちしやすい素材
- アクリル
- 起毛ニット(アンゴラ・モヘアなど)
- ウールの一部
- チェーン編みの太糸
✔ 対策
- 毛羽立ちにくい“ハイゲージニット”を選ぶ
- 天然素材×合成繊維の混紡は比較的ケバ立ちが少ない
- 表面が滑らかな素材に切り替える(スムース・フラット系)
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2. 着用時の摩擦が多い
バッグの肩掛け部分、デスクに当たる腕の部分、
アウターの裏地など、あらゆる“擦れ”が毛羽立ちの原因になります。
✔ よく毛羽立つ場所
- 袖の内側
- 腕の外側(バッグの位置)
- 脇まわり
- 背中(リュック・ショルダー)
✔ 対策
- ローゲージよりハイゲージを選ぶ
- アウターは“裏地つき”を選ぶと摩擦が軽減
- バッグの位置を変える・持ち方を調整
- デスク作業では腕に当たる部分を避ける
3. 洗濯方法の問題
ニットを洗うときの衝撃・絡まりが毛羽立ちを引き起こします。
✔ NGな洗い方
- ネットなしで他の衣類と一緒に洗う
- 長時間洗濯コース
- 脱水を強めにかける
- 乾燥機を使う
✔ 正しい洗濯方法
- 必ず洗濯ネットに入れる
- おしゃれ着コース(弱水流)で短時間洗い
- 脱水は“10〜20秒だけ”
- 平干しで形を整える(伸び・摩擦を防ぐ)
※洗い方を変えるだけで毛羽立ちの進行は大きく変わります。
4. 静電気の発生でホコリ・毛羽が目立つ
冬は空気が乾燥し、静電気が起こりやすい季節。
静電気が発生すると、ホコリ・小さな繊維が表面に張り付き、ケバ立ちが目立つ原因になります。
✔ 対策
- 静電気防止スプレーを使用
- 柔軟剤を適量使う(使いすぎは逆効果)
- 下に着るインナーも“静電気が起きにくい素材”を選ぶ
(例:コットンインナー)
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5. 保管環境の問題
クローゼットの混雑や圧縮収納などの“押し込み”が、
表面の繊維を押し潰し、摩擦を起こし、毛羽立ちの原因になります。
✔ 対策
- ニットは畳んでゆったり収納
- 圧縮袋は長期間使用しない
- シーズン外は不織布袋で保護
- クリーニング後のビニールは外してから収納する
今日からできる“毛羽立ち予防テクニック”
- 着用後は軽くブラッシングして整える
- 連日の着用は避け、休ませる
- 摩擦の出るバッグ・アウターを使い分ける
- 洗濯ネット+短時間洗いで衝撃を最小限に
- 静電気を防ぐケアを取り入れる
ニットは素材の特性上どうしても毛羽立ちは起こりますが、
「予防ケア」をするだけで見た目のきれいさが長持ちします。
まとめ:毛羽立ちは“摩擦・素材・洗い方”で変わる
セーターの毛羽立ち・ケバ立ちは、
- 素材特性
- 摩擦
- 洗濯方法
- 静電気
- 収納環境
といった複数の要因が重なって起こります。
しかし、
- 摩擦を減らす
- 洗い方を変える
- 静電気対策をする
といった小さな工夫で、毛羽立ちは十分に防げます。
お気に入りのセーターを長くきれいに着るために、
今日から少しずつケア方法を見直してみてください。





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