コート、ニット、スラックス、ジャケット…。
秋冬アイテムの多くに使われるウール(毛)素材。
暖かい・高級・チクチクする…
などのイメージがありますが、
実はウールは機能性が非常に高い万能素材です。
アパレル歴20年の元店長として、
ウールの特徴・メリット・デメリット・選び方をわかりやすくまとめます。
ウール素材の特徴まとめ【元アパレル店長が徹底解説】
ウール素材の特徴まとめ【一覧表】
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 保温性 | 非常に高い。冬服の主役。 |
| 通気性 | 実は良い(蒸れにくい)。 |
| 吸湿性 | 湿気を吸って放湿する。 |
| 防臭性 | ニオイがつきにくい。 |
| 耐シワ性 | シワになりにくい。 |
| 弱点 | 虫食い・縮み・チクチク。 |
| 洗濯 | 手洗い or ドライ推奨。 |
ウールのメリット
1. 圧倒的な保温性
繊維の中に空気を含むため、
暖かさは天然素材の中でトップクラス。
2. 湿気を吸って放出(吸湿・放湿性)
実はウールは蒸れにくい素材です。
冬に汗ばんでも快適なのはこの性能。
3. ニオイがつきにくい
汗のニオイやムレ臭がつきにくく、
冬に“ニットが臭わない”理由はここ。
4. シワになりにくい
スーツ・スラックスに使われる理由はこの特性。
5. 自然の難燃性
ウールは“燃えにくい”という特徴があり、
アウトドア製品にも使われることが多い。
ウールのデメリット(注意点)
1. チクチクする(繊維の太さが原因)
- 太いウール → チクチク
- 細いウール → しっとり柔らかい
特にチクチクしにくいのは…
- メリノウール(最高クラス)
- エクストラファインメリノ
- カシミヤ(別素材だが同じ毛)
2. 洗濯で縮む(フェルト化)
ウールは “こすれ+熱+水” の組み合わせで縮む。
→ 洗濯機は基本NG。
3. 虫に食われやすい
天然素材のため、保管方法は注意が必要。
4. 毛玉(ピリング)ができやすい
ニットは摩擦で毛玉ができやすい。
ウールの種類と特徴
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 羊毛(一般的なウール) | 保温性が高く丈夫。 |
| メリノウール | 柔らかくチクチクしない最高級羊毛。 |
| カシミヤ | 軽くてとにかく柔らかい。高級素材。 |
| ラムウール | 生後6ヶ月以内の子羊の毛。柔らかい。 |
| アルパカ | 光沢があり上品。カシミヤに近い肌触り。 |
ウール素材に向いている服
- ニット
- カーディガン
- コート
- スーツ
- スラックス
- マフラー
- 手袋
- 帽子
冬に使う服の多くがウールで作られています。
ウール素材の正しい洗濯方法
1. 洗濯機NG(基本)
※OK表示がある場合は“おしゃれ着コース”を使用。
2. ぬるま湯+中性洗剤で優しく押し洗い
こすらない=縮まない最大のポイント。
3. 平干しで乾燥
ニットをハンガーに掛けると伸びるため不可。
4. 乾燥機は絶対NG
100%縮みます。
ウール素材の選び方ポイント
1. 繊維の細さ(ミクロン)を見る
細いほど柔らかく高品質。
メリノウールは17〜19.5ミクロンが目安。
2. 編み目の密度
- 粗いニット → 伸びやすい・毛玉出やすい
- 密なニット → 型崩れが少ない
3. 混紡率を確認
- ウール100% → 高級・暖かい
- ウール×ナイロン → 丈夫
- ウール×ポリエステル → 軽い
4. ラベル(取扱表示)を必ずチェック
ウールは扱い方次第で寿命が大きく変わります。
ウールとカシミヤの違いを簡単に
| 項目 | ウール | カシミヤ |
|---|---|---|
| 暖かさ | ◎ | ◎◎ |
| 柔らかさ | ○ | ◎◎ |
| 軽さ | ○ | ◎ |
| 毛玉の出やすさ | 中 | 高 |
| 価格 | 安い〜高級まで幅広い | 高級 |
まとめ:ウールは“暖かさと機能性の両立”素材
✅メリット
- 保温性最強
- 蒸れにくい
- 防臭
- シワに強い
- 難燃性
✅デメリット
- チクチク
- 縮む
- 虫食い
- 毛玉ができる
冬のあらゆる服に適した、機能性の高い天然素材です。



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