
この記事は、アパレル歴20年の店長経験者が詳しく解説しています。【筆者プロフィール】
服を着ようとしたら、肩にハンガー跡がくっきり…。地味にショックですよね。
- 「肩にハンガーの跡がついて、着ると変に見える…」
- 「ニットやカットソーを掛けたら、肩がポコッと出た…」
- 「アイロンしても跡が戻らないことがある…」
ハンガー跡は、単なる“保管のミス”ではなく、服の素材・重さ・ハンガー形状の相性で起こります。
元アパレル店長として店舗の陳列や在庫管理でもよくあったトラブルですが、ポイントは「掛け方」より先に「掛けていい服かどうか」を判断すること。
そこでこの記事では、ハンガー跡がつく原因を整理し、すぐ直せる応急処置〜跡をつけない保管方法までまとめて解説します。
- ハンガー跡が付く原因
- すぐ消す応急処置の方法
- 素材別の正しい直し方
- そもそも跡を付けない掛け方
- ハンガー選びのポイント
- 今日からのチェック表
ハンガー跡がつく主な原因一覧
ハンガー跡は「なぜ跡が付くのか」を先に理解すると、直し方も予防も迷いません。
| 症状 | 主な原因 | 跡がつきやすい服 | まずやる対策 |
|---|---|---|---|
| 肩がポコッと出る | ハンガーが細い・角がある | ニット、薄手カットソー | 厚みのあるハンガーに変更 |
| 跡が線状に残る | 生地が柔らかく伸びやすい | レーヨン混、薄手 | 蒸気で戻して陰干し |
| 胸元・襟が伸びる | 掛ける位置が合ってない | Tシャツ、スウェット | たたむ収納へ切替 |
| 肩の形が崩れる | 重さに耐えられない | オーバーサイズ、厚手 | たたみ+平置き寄り |
| 跡が戻らない | 熱・摩擦・繊維が潰れた | ポリ混、圧着 | スチーム+形整え |
この表で当てはまった原因から順に、直し方と予防法を具体的に解説します。
尚、ハンガー跡に限らず「型崩れ」全体の原因と保管の基本も押さえておくと、同じ失敗を繰り返しにくくなります。
トラブル① 肩がポコッと出る(最も多い)
起きる理由(素材・構造)
肩の“ポコッ”は、ハンガーの先端が肩の途中に当たり、その一点に荷重が集中することで起こります。
特にニットや伸びやすい素材は、重みで繊維が引っ張られて形が固定されやすく、跡が残りがちです。
起きやすい服の種類
- ニット(ハイゲージ/ローゲージ問わず)
- 薄手のカットソー、ロンT
- 肩線が落ちるドロップショルダー
- オーバーサイズトップス
対策(跡をつけない基本)
- ハンガーは肩幅に合うものを選ぶ(小さすぎると跡が出る)
- 太め・丸みのあるハンガーに変える(細いワイヤーはNG)
- 重い服は「掛けない」選択(畳み収納へ)
- どうしても掛けたいなら、肩にタオルを巻く(応急的に有効)
特にニットは“吊るすだけで伸びる”が起きやすいので、伸びの戻し方まで知っておくと安心です。
トラブル② 跡が線状に残る(薄手ほど危険)
起きる理由
薄手の服は、生地の厚みが少ない分、ハンガーの“線”がそのまま表に出やすいです。
さらに、レーヨン混などは繊維が柔らかく、一度クセが付くと戻りにくいことがあります。
ハンガー跡が出やすい素材を、先に整理しておきます。
| 素材傾向 | 跡の付きやすさ | 理由 | 対策の方向性 |
|---|---|---|---|
| ニット・伸縮素材 | 高い | 伸びて形が固定されやすい | 基本は畳み |
| レーヨン混・薄手 | 高い | 柔らかく線が出やすい | 蒸気で戻す |
| 綿100の厚手 | 中 | 乾燥状態でクセが残る | スチーム有効 |
| ポリ混・圧着 | 中〜高 | 繊維が潰れると戻りにくい | 低温+形整え |
この表に当てはまるほど、“掛け収納”自体を見直すのが近道です。
症状例・チェックポイント
- 肩に細い線が残る
- 片側だけ跡が強い(掛け方が偏っている)
- 乾燥した状態だと特に跡が目立つ
対策(応急処置:アイロンなしもOK)
- スチーム(蒸気)を当てて、手で形を戻す
- 浴室に吊るして湯気で戻す→その後は陰干し
- 濡らすなら“霧吹きで軽く”が基本(びしょ濡れは色移り注意)
- 直した後は、畳み収納に切替(再発防止)
スチームや浴室の湯気を使うなら、“シワ取りの手順”も同じ考え方で応用できます。
トラブル③ 襟・胸元が伸びる(Tシャツで多い)
起きる理由
Tシャツをハンガーに掛けるとき、首元から無理に通すと、襟ぐりが引っ張られて伸びることがあります。
また、首が伸びた状態で長時間吊るすと、その形が定着しやすいです。
首元が伸びる・ヨレる悩みは、Tシャツ(カットソー)特有の構造が関係するので、理由を知ると防ぎ方が一気に分かりやすくなります。
注意したいケース・素材
- 首が詰まったTシャツ
- リブが細い襟
- 柔らかい薄手素材(伸びやすい)
対策
- Tシャツは基本「畳む」へ(掛けるなら“下から通す”)
- ハンガーに掛けるときは、首元を無理に広げない
- ハンガーに掛けたら、肩線を左右均等に整える
- 長期保管は吊るさない(畳みが安全)
「畳む」を選ぶと、今度は折りジワ(畳みジワ)が悩みになりやすいので、収納のコツもあわせて押さえておくと失敗が減ります。
NG例 → OK例(比較で理解を深める)
❌ NG例:
細いワイヤーハンガーに、ニットや薄手カットソーを長期間吊るす
→ 肩一点に荷重が集中し、ポコッと跡が固定される
⭕ OK例:
太めで丸いハンガーに変える/ニットは畳む/薄手は蒸気で整えてから収納
→ 肩の形が崩れにくく、跡もつきにくい
今日からできる「ハンガー跡」チェック表(直す→防ぐ)
何から手を付ければ迷ったら、まずは次の5つを上から順に試せばOKです。
| チェック項目 | 今日からの具体策(迷ったらこれ) |
|---|---|
| ① まずスチームで戻す | アイロンのスチーム or 浴室の蒸気を当てて、手で形を整えて乾かす |
| ② 引っ張らず“押して整える” | 跡を引っ張って伸ばさず、内側から押すように丸みを戻す |
| ③ ニットは畳み収納に切り替える | 重みで伸びやすい素材は掛けない。畳むか、折り掛けにする |
| ④ ハンガーの太さと形を見直す | 細い針金ハンガーをやめ、厚みのある肩幅ハンガーに変える |
| ⑤ 掛け方を“ずらす/折る” | 肩に乗せず、身頃から折って掛ける(ニット・柔らか素材に有効) |
この5つを押さえると、「跡が戻らない」「また付く」の両方が減りやすくなります。
ここからは、各項目のポイントを短く補足します。
① まずスチームで戻す
ハンガー跡は繊維が“クセ”になっている状態なので、蒸気で緩めると戻りやすく、スチーム後は、手で丸みを整えてから乾かすのがコツです。
ただし、スチームの当て方を間違えると「テカり・傷み」の原因にもなるので、基本手順を一度だけ型で覚えるのがおすすめです。
② 引っ張らず“押して整える”
跡を直そうとして引っ張ると、生地が伸びて逆効果になることがあります。
内側から押すように形を戻すと、自然に整いやすいです。
③ ニットは畳み収納に切り替える
ニットは掛けるだけで伸びやすく、跡も残りやすい素材です。
ニットは基本“畳む”、掛けるなら折り掛けにするとトラブルが減ります。
少しでもニットを長持ちさせたい人は、「畳む」だけでなく“摩擦・湿気・防虫”までセットで整えると完成度が上がります。
④ ハンガーの太さと形を見直す
細いハンガーは、肩に一点集中して跡が付いてしまうため、厚みのあるハンガーに変えるだけで、跡がかなり付きにくくなります。
さらにハンガーを変えるついでに、吊るし収納の“密集”も見直すと、跡・シワの再発がかなり減ります。
⑤ 掛け方を“ずらす/折る”
掛ける位置が同じだと、同じ場所に負荷がかかってしまうので、肩に乗せず「折り掛け」にすると、跡の発生をかなり防げます。
折り掛け・ずらし掛けは「型崩れ防止」の基本テクなので、他の服にも応用したい人は全体像もどうぞ。
以上、このチェック表を型にすれば、「直す→防ぐ」がセットで回せます。
まとめ
ハンガー跡は、体質や運ではなく「素材・ハンガー・掛け方」で起きるトラブルです。
付いてしまった時は、まず蒸気で繊維を緩めて“押して整える”のが基本。さらに、ニットなど伸びやすい素材は掛け方を変えるだけで再発が減ります。
今日からは次の順番で試せばOK。
- スチームで跡を緩めて形を整える
- 引っ張らず、内側から押して丸みを戻す
- ニットは畳み収納(掛けるなら折り掛け)にする
- 細いハンガーをやめて厚みのある肩幅ハンガーに変える
- 肩に乗せず、折って掛けて負荷を分散する
よくある失敗は、「引っ張って伸ばしてしまう」「ニットをずっと吊るす」「針金ハンガーで一点に負荷がかかる」の3つ。
まずは①(スチーム)と④(ハンガー変更)だけでも効果が出やすいので、できるところから整えていきましょう。
最後に、長期保管では“跡”よりも、湿気・虫・ニオイで服がダメになるパターンも多いので、環境側の対策もセットにしておくと安心です。












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