
この記事は、アパレル歴20年の店長経験者が詳しく解説しています。【筆者プロフィール】
「服についた血液をきれいに落としたい」
「時間が経って乾いた血液の落とし方が分からない」
「一度洗濯したのに茶色いシミが残っている」
服に血液がついてしまうと、「すぐ洗った方がいい?」「お湯の方が落ちそう」「乾いてしまったらもう無理?」と迷いますよね。
血液汚れは、コーヒーやジュースなど一般的な水溶性のシミと同じ感覚で処理しないことが大切です。

僕自身、お客様から「服についた血を家で落とそうとして逆に取れにくくなった」という悩みを何度も聞いてきました。
そこで本記事では、血液が「付いた直後」「乾いた後」「一度洗った後」に分けて、自宅でできる落とし方と衣類を傷めないための注意点を解説します。
- 血液汚れが付いた直後にすること
- 乾いた血液汚れの落とし方
- 一度洗濯した後に血液が残った場合の対処
- 血液汚れに熱いお湯を使わない理由
- 洗濯洗剤を使うタイミング
- 酸素系漂白剤を使えるケース
- 色柄物を洗うときの注意点
- ウールやシルクなどデリケート素材の判断基準
服についた血液汚れは「いつ付いたか」で落とし方が変わる

血液汚れを見つけたら、いきなり洗剤をつけるのではなく、まず現在の状態を確認しましょう。
血液がまだ乾いていないのか、すでに乾いているのかによって対処のしやすさが変わります。
| 状態 | 最初にすること | 対処のポイント |
|---|---|---|
| 付いた直後 | 水で予洗いする | 乾く前に血液をできるだけ取り除く |
| 少し乾いている | 水で湿らせる | 固まった部分を無理にこすらない |
| 完全に乾いている | 水で汚れをゆるめる | 段階的に落としていく |
| 一度洗濯して残った | 再び水で湿らせる | 熱を加える前に再処理する |
| 水洗いできない衣類 | 自宅で処理しない | クリーニング店へ相談する |
特に注意したいのが、「早く落としたいから熱いお湯を使う」という対処です。
血液汚れでは逆効果になる可能性があるため、基本的には水を使いましょう。

アパレル店長として衣類を扱ってきた経験からも、シミ抜きは「強い洗剤を使うこと」より、最初に汚れと素材の状態を見極めることが重要だと感じます。
まずは洗濯表示を確認し、水洗いできる衣類かどうかを判断してください。
なぜ血液汚れに熱いお湯を使ってはいけない?

血液汚れの落とし方を考えるうえで、最初に知っておきたいのが「タンパク質と温度」の関係です。
ここを理解しておけば、血液汚れで失敗しやすい洗い方を避けやすくなります。
| 番号 | ポイント | 覚えておきたいこと |
|---|---|---|
| ① | 血液にはタンパク質が含まれる | 通常の水溶性汚れとは性質が異なる |
| ② | 高温で落ちにくくなる | 水を基本に予洗いする |
| ③ | 時間経過でも落ちにくくなる | できるだけ早く処理する |
① 血液にはタンパク質が含まれている
血液にはタンパク質が含まれているため、飲み物をこぼしたときと同じ感覚で洗わない方が安全です。
まず水で血液そのものをできるだけ取り除いてから、洗剤や漂白剤による処理へ進みます。
| 血液汚れの特徴 | 対処 |
|---|---|
| 水分を含んでいる | 乾く前ほど処理しやすい |
| タンパク質を含む | 高温を避ける |
| 繊維の奥へ入り込む | 強くこすらない |
| 乾燥すると固まりやすい | 水でゆるめてから処理する |
一般的なシミでも早めの対処は重要ですが、血液では特に「乾かさないこと」がポイントになります。
② 熱いお湯を使うと血液が落ちにくくなる
「冷たい水よりお湯の方が汚れ落ちが良さそう」と思うかもしれませんが、血液汚れでは注意が必要です。
血液中のタンパク質は高温によって固まり、繊維から落としにくくなることがあります。
| 水温 | 血液汚れへの使い方 |
|---|---|
| 水 | 基本的におすすめ |
| 40℃以下のぬるま湯 | 衣類・洗剤の条件に合えば使用可能 |
| 40℃を超える高温 | 避ける |
| 熱湯 | 使用しない |
迷った場合は、温度を細かく考えるより水を使うと覚えておくと分かりやすいでしょう。
「冬だから熱めのお湯で洗おう」と判断しないことが大切です。
③ 時間が経つほど落としにくくなる
血液が乾くと、水分が抜けて汚れが繊維に残りやすくなります。
ただし、乾いたからといって強く揉んだりブラシでこすったりするのは避けましょう。
血液の状態による違い
| 血液の状態 | 対処のポイント |
|---|---|
| まだ湿っている | 水で予洗いしやすい |
| 表面だけ乾いている | 水で湿らせてから処理する |
| 完全に乾いている | 一度で落とそうとせず段階的に処理する |
| 洗濯後に残っている | 熱を加える前に再処理する |

僕自身、さまざまな生地を見てきましたが、「汚れを落とそうとしてこすりすぎ、生地表面まで傷める」という失敗は避けたいところです。
血液が残っていても、汚れと生地を同時に見ながら少しずつ処理しましょう。
服についた血液汚れの落とし方【状態別】

ここからは、血液の状態ごとに具体的な手順を確認していきます。
すべて同じ方法で処理するのではなく、自分の服がどのケースに当てはまるかで判断してください。
| 番号 | 血液の状態 | 基本的な流れ |
|---|---|---|
| ① | 付いたばかり | 水で予洗い→洗剤→洗濯 |
| ② | 乾いている | 水でゆるめる→洗剤→洗濯 |
| ③ | 一度洗って残った | 再度湿らせる→部分処理 |
| ④ | 洗剤で残る | 使用可能なら酸素系漂白剤 |
① 付いたばかりの血液は水で予洗いする
まだ血液が乾いていない場合は、最初から洗濯機へ入れるより、汚れている部分を水で予洗いします。
血液そのものをできるだけ減らしてから洗剤を使うのが基本です。
付いた直後の手順
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | 洗濯表示を確認する |
| 2 | 血液が付いた部分を水ですすぐ |
| 3 | 血液が薄くなるまでやさしく予洗いする |
| 4 | 衣類に合った洗濯洗剤を使う |
| 5 | 洗濯表示に従って洗濯する |
| 6 | 乾かす前にシミが残っていないか確認する |
蛇口で流せる服なら、水を当てながら血液を押し出すイメージで予洗いします。
ゴシゴシこするのではなく、水を通しながら指で軽く押す程度にしましょう。
外出先ですぐ洗えない場合
| できること | 避けたいこと |
|---|---|
| ティッシュなどで軽く押さえる | 強くこする |
| 水で湿らせて押さえる | 熱いお湯を使う |
| 帰宅後できるだけ早く洗う | そのまま長時間放置する |
外出先では完全に落とそうとせず、「広げない・乾燥を進めない」程度の応急処置で十分です。
無理にこすると、血液だけでなく衣類表面の毛羽立ちや色落ちにつながることがあります。

販売現場で服を扱っていたときも、部分的な汚れほど力を入れてこすりたくなりますが、衣類は汚れだけを見て処理しないことが大切だと感じていました。
② 時間が経って乾いた血液は水でゆるめてから洗う
数時間から一晩以上経ち、血液が完全に乾いている場合は、いきなり洗剤を大量につけても落ちにくいことがあります。
最初に水で汚れを湿らせ、固まった血液をゆるめてから処理しましょう。
乾いた血液の手順
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | 洗濯表示を確認する |
| 2 | 血液部分を水で十分に湿らせる |
| 3 | 軽く押し洗いして浮いた血液を流す |
| 4 | 洗濯洗剤を汚れ部分になじませる |
| 5 | 製品表示に従って洗濯する |
| 6 | 乾燥前に残り具合を確認する |
乾いたシミを爪やブラシで削り取ろうとすると、生地まで傷める可能性があります。
水でゆるめても落ちない部分だけを、次の洗剤処理へ進める方が安全です。
一度で落ちない場合はどうする?
1回の洗濯で完全に消えなくても、濡れている状態で薄くなっているなら、強い摩擦を加える必要はありません。
酸素系漂白剤が使える衣類なら、後述する方法へ進みます。
ここでやらない方が良いこと
- 熱湯につける
- 硬いブラシでこする
- 洗剤を長時間放置する
- 漂白剤を表示確認なしで使う
血液の色だけに集中すると、「もっと強く洗えば落ちる」と考えがちです。
しかし、お気に入りの服ほど、生地へのダメージを増やしてまで1回で落とそうとしない方が良いでしょう。
③ 一度洗ったのに血液が残った場合は乾燥前に再処理する
洗濯機で洗った後に、うっすら茶色や赤茶色の跡が残っていることもあります。
この場合は、そのまま乾燥機やアイロンを使わず、もう一度汚れの状態を確認してください。
| 状態 | 対処 |
|---|---|
| 洗濯後もまだ濡れている | すぐ再処理しやすい |
| 自然乾燥した | 水で湿らせて再処理 |
| 乾燥機を使用した | 無理にこすらず慎重に処理 |
| アイロンをかけた | 自宅処理が難しければ専門店へ相談 |
まず水で血液部分を湿らせ、衣類に合った洗剤をなじませてから再度洗濯します。
それでも残る場合は、酸素系漂白剤が使用できるか確認しましょう。
乾燥機・アイロンを使う前に確認する
血液汚れが残った状態で熱を加えると、タンパク質を含む汚れがさらに落ちにくくなる可能性があります。
洗濯終了後は、そのまま乾燥機へ移さず、明るい場所でシミ部分を一度確認する習慣をつけると安心です。

僕は服を販売していた頃から、洗濯トラブルでは「洗った後の確認」も重要だと感じています。
特にシミ抜き中の衣類は、完全に乾燥させる前に状態を見るだけで次の対応を判断しやすくなります。
洗濯後の乾燥やアイロンなど、シミ抜き以外の失敗もまとめて確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
④ 血液が残る場合は酸素系漂白剤を使えるか確認する
水洗いと洗剤だけで血液が残る場合は、「酸素系漂白剤」を使用できるケースがあります。
ただし、「血液には酸素系漂白剤」と決めつけず、衣類と漂白剤の両方の表示を確認してください。
洗濯表示の漂白マーク
| 表示 | 漂白剤 |
|---|---|
| △ | 塩素系・酸素系が使用可能 |
| △の中に斜線2本 | 酸素系のみ使用可能 |
| △に× | 漂白剤は使用不可 |
色柄物では、塩素系漂白剤によって色が抜ける可能性があります。
血液汚れの家庭での処理では、使用できる衣類であれば酸素系漂白剤を候補にすると判断しやすいでしょう。
酸素系漂白剤を使う基本的な流れ
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 先に血液部分を水で予洗いする |
| 2 | 漂白表示と素材を確認する |
| 3 | 漂白剤の使用方法を確認する |
| 4 | 製品表示どおりに塗布・つけ置きする |
| 5 | 衣類に合った洗剤で洗濯する |
酸素系漂白剤でも、液体・粉末など製品によって使用できる素材や使用時間が異なります。
「30分置けばいい」など一律に考えず、使用する製品の表示を優先してください。
注意点
漂白剤や洗剤は、独自の判断で複数種類を混ぜないようにしてください。
特に「もっと落としたいから」と洗剤や漂白剤を追加していく使い方は避け、各製品の使用上の注意に従いましょう。
漂白マークを含め、洗濯表示の意味が分からない場合は、先にこちらで確認しておくと判断しやすくなります。
素材・色柄によっては自宅で血液を落とさない方がいい

血液の落とし方だけでなく、「その服を水で洗っていいか」を確認することも重要です。
高価な服やデリケート素材では、シミよりも自己処理による変色や型崩れの方が大きなダメージになることがあります。
| 番号 | 衣類のタイプ | 判断のポイント |
|---|---|---|
| ① | 綿・ポリエステルなど | 洗濯表示を確認して家庭洗い |
| ② | 色柄物 | 色落ち・漂白表示を確認 |
| ③ | ウール・シルクなど | 洗剤・漂白剤の使用条件を確認 |
① 綿・ポリエステルでも洗濯表示を確認する
綿やポリエステルだからといって、すべて同じ方法で洗えるとは限りません。
装飾・プリント・特殊加工などによって、洗濯方法が指定されている衣類があります。
| 確認するもの | チェック内容 |
|---|---|
| 洗濯表示 | 家庭で水洗いできるか |
| 漂白表示 | 漂白剤を使えるか |
| 洗剤表示 | 使用できる素材か |
| 付属品 | 金属・装飾などが付いていないか |
普段洗濯機で洗っている服でも、部分的に強い洗剤を使う場合は別の話です。
シミ抜き前に表示を見る習慣をつけておきましょう。
特にコットン素材は、水には比較的強い一方で縮みや毛羽立ちなど別のトラブルも起こるため、素材そのものの特徴も知っておくと安心です。
② 色柄物は目立たない場所で色落ちを確認する
血液を落とせても、周囲だけ色が薄くなってしまえば別のトラブルになります。
濃色の服や鮮やかな色の服では、使用する洗剤や漂白剤が対応しているか確認してください。
色柄物で特に確認したいこと
- 酸素系漂白剤を使用できる表示か
- 使用する製品が色柄物に対応しているか
- 目立たない場所で変色しないか
- プリントや装飾部分に使用できるか
「酸素系だから絶対に色落ちしない」と考えるのではなく、製品側の注意事項も見ることが大切です。
心配な服では、無理に漂白まで進めない選択肢もあります。
洗剤や洗濯方法による色落ちが心配な方は、色あせが起こる原因と防ぎ方もあわせて確認してみてください。
③ ウール・シルクなどは無理に家庭で処理しない
ウールやシルクなどのデリケート素材は、水や摩擦によって縮み・型崩れ・風合いの変化が起きることがあります。
さらに、酸素系漂白剤でも製品によって毛や絹に使用できないタイプがあります。
| 状況 | おすすめの判断 |
|---|---|
| 水洗い不可 | 自宅で水洗いしない |
| 漂白剤不可 | 漂白剤を使わない |
| 高価な衣類 | 早めに専門店へ相談 |
| 特殊加工・装飾あり | 自己判断を避ける |
| 判断できない | クリーニング店へ相談 |

元アパレル店長として服を扱ってきた経験からも、「シミを完全に消すこと」だけが正解ではありません。
衣類の素材や価格、思い入れまで考え、自宅でどこまで処理するかを決めることも大切です。
とくにシルクは水ジミや摩擦による変化も起こりやすいため、自宅で処理する前に素材特有の注意点を確認しておきましょう。
まとめ:血液汚れは高温を避けて状態別に対処しよう

服についた血液汚れは、「何を使うか」よりも、まず血液がどの状態なのかを確認することが重要です。
付いた直後と完全に乾いた後では、同じ血液でも処理の進め方が変わります。
| 血液汚れで覚えておきたいこと | 対処 |
|---|---|
| 付いた直後 | 水で早めに予洗い |
| 乾いた血液 | 水でゆるめてから洗う |
| 一度洗って残った | 熱を加える前に再処理 |
| 洗剤で残る | 酸素系漂白剤の使用可否を確認 |
| 熱いお湯 | 使用を避ける |
| デリケート素材 | 無理なら専門店へ相談 |
特に覚えておきたいのは、「水で予洗いする」「高温を避ける」「乾燥前に確認する」の3点です。
血液が落ちないからと強くこすったり、洗剤や漂白剤を必要以上に使ったりせず、衣類の状態を確認しながら段階的に対処しましょう。
血液以外にも、油・飲み物・皮脂など服のシミは種類によって最初の対処が変わるため、ほかの汚れについてはこちらにまとめています。








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