
この記事は、アパレル歴20年の店長経験者が詳しく解説しています。【筆者プロフィール】
「ラミーとリネンは何が違うの?」
「麻素材だから、自宅で普通に洗っても大丈夫?」
「洗濯後のシワや縮みを防ぐには、どう扱えばいい?」
ラミーは、涼しげなシャリ感と上品な光沢を持つ植物繊維です。
一方で、洗濯や着用時の摩擦によって「シワ・縮み・毛羽立ち」などが起こることがあります。

僕が接客していたときも、「麻は丈夫だから気軽に洗える」と考えている方が少なくありませんでした。
そこで本記事では、まず「ラミーの特徴・全体像」と「リネンとの違い」を整理したうえで、「起こりやすいトラブル」から「正しい洗濯・保管方法」までを分かりやすく解説します。
- ラミー素材の原料と特徴
- ラミーとリネンの違い
- ラミーが使われる主な衣類
- シワや縮みが起こる原因
- 毛羽立ちやチクチク感の理由
- ラミーを長持ちさせる扱い方
ラミー素材とは?【涼しさと光沢を持つ天然繊維】

そもそも「ラミー素材」を知っていますか?
冒頭でも簡単にお話ししましたが「ラミー」とは、イラクサ科の植物である苧麻(ちょま)の茎から採取される天然繊維です。
ラミーの基本的な特徴
| 項目 | ラミー素材の特徴 |
|---|---|
| 原料 | 苧麻という植物の茎 |
| 分類 | 植物由来の天然繊維 |
| 質感 | ハリ・コシ・シャリ感がある |
| 見た目 | 透明感のある光沢が出やすい |
| 得意な季節 | 春から夏 |
| 主な衣類 | シャツ、ブラウス、ワンピース、パンツ |
| 主な弱点 | シワ、縮み、毛羽立ち、硬さ |
ラミーは、清涼感のある春夏向け素材として使われています。
ラミーは苧麻の茎から作られる
ラミーの原料となる苧麻は、イラクサ科に属する多年草です。
茎の内側から繊維を取り出し、不純物や繊維同士をつなぐ成分を除去してから、糸や生地へ加工します。
ラミーが生地になるまで
- 苧麻を栽培して収穫する
- 茎から繊維を取り出す
- 不純物や膠質を除去する
- 繊維を整えて糸にする
- 糸を織物や編物へ加工する
ラミーの繊維は、もともと「硬さ」と「コシ」があります。

そのため、衣類では加工や仕上げによって肌触りが調整されています。
ハリ・シャリ感・光沢が特徴
ラミーは強度があり、薄手の生地でも適度なハリを出しやすい素材です。
肌離れのよいシャリ感や光沢もあるため、春夏用のシャツやブラウスに多く使われています。
ラミーの長所と衣類に表れやすい特徴
| ラミーの長所 | 衣類に表れやすい特徴 |
|---|---|
| ハリとコシがある | シルエットの輪郭が出やすい |
| 光沢がある | 涼しげで上品に見える |
| 吸湿性がある | 汗を吸いやすい |
| 水分を逃がしやすい | べたつきを感じにくい |
| 強度がある | 薄手でも生地感を保ちやすい |
ただし、実際の涼しさや肌触りは、「織り密度・生地の厚さ・裏地・混用素材」によって変わります。
ラミーとリネンの違い
ラミーとリネンは、どちらも植物の茎から採れる「麻」の一種です。
日本の品質表示では、苧麻(ちょま)から作られるラミーと、亜麻(あま)から作られるリネンを「麻」と表示できます。
一般的な違い
| 比較項目 | ラミー | リネン |
|---|---|---|
| 原料 | 苧麻 | 亜麻 |
| 風合い | ハリとシャリ感が強い | 比較的しなやか |
| 光沢 | 透明感が出やすい | 自然で落ち着いた光沢 |
| 繊維の硬さ | 比較的硬い | 比較的柔らかい |
| シルエット | 輪郭が出やすい | 自然に落ちやすい |
| 肌触り | パリッと感じやすい | 使うほどなじみやすい |
ラミーは清涼感とハリを重視したい服に向き、リネンは自然な柔らかさを楽しみたい服に向いています。
ただし、加工方法や糸の細さによって風合いは変わるため、素材名だけでなく、実際の生地を触って確認することが大切です。
比較対象となるリネンの特徴や扱い方をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
ラミー素材が使われる主な服
ラミーは、ハリや光沢を生かした春夏向けの衣類に使われています。
代表的なアイテムとラミーが使われる理由
| 服の種類 | ラミーが使われる理由 |
|---|---|
| シャツ・ブラウス | 肌離れがよく、涼しげに見える |
| ワンピース | 軽やかさと光沢を出しやすい |
| パンツ | ハリのあるシルエットを作りやすい |
| スカート | 適度なボリュームを表現できる |
| ジャケット | 薄手でも輪郭を保ちやすい |
| ストール | 透け感と清涼感を生かせる |
ラミー100%だけでなく、綿・リネン・レーヨン・ポリエステルなどと組み合わせた生地もあります。

混紡素材の場合は、ラミー以外の繊維が洗い方や着心地に影響するため、組成表示の確認が必要です。
ラミー素材に起こりやすい5つのトラブル

ラミーは強度のある繊維ですが、弾力性の低さや硬さによってトラブルが起こることがあります。
主な症状と原因を整理すると、次の通りです。
| 順番 | トラブル | 主な原因 |
|---|---|---|
| ① | シワが深く残る | 繊維が元の形に戻りにくい |
| ② | 縮み・型崩れが起こる | 水分、熱、脱水、生地構造の変化 |
| ③ | 毛羽立ち・白っぽい擦れが出る | 着用や洗濯による摩擦 |
| ④ | チクチク感じる | 繊維の硬さや表面の毛羽 |
| ⑤ | 色落ち・移染が起こる | 染色方法、濃色、水分、摩擦 |
ここからは、5つのトラブルが起こる仕組みを順番に解説します。
① シワが深く残る
ラミーは弾力性が低く、曲がった繊維が元の状態に戻りにくい素材です。
着用時や洗濯時に強い力が加わると、折れた形が「シワ」として残ります。
シワが目立ちやすい場所
| 場所 | 起こりやすい症状 |
|---|---|
| 袖・肘 | 曲げジワが深く残る |
| 腰・ヒップ | 座りジワが目立つ |
| 前身頃 | 折れ線や洗濯ジワが残る |
| 裾 | ねじれた形でシワが付く |
| 襟・前立て | 細かなシワが集中する |
ラミー特有の自然なシワは、素材の風合いとして楽しめます。

ただし、鋭い折れジワが増えると、衣類全体がくたびれて見えやすくなります。
素材特性だけでなく、洗濯や収納によってシワが増える仕組みは、こちらの記事で詳しく解説しています。
② 縮み・型崩れが起こる
ラミーの衣類は、水を含むことで糸や繊維の並びが動く場合があります。
その状態で熱や強い力が加わると、乾燥後に寸法や形が変わることがあります。
縮みや型崩れに関係する要素
| 関係する要素 | 起こりやすい変化 |
|---|---|
| 高い水温 | 寸法や風合いが変わる |
| 強い水流 | 生地や縫い目がゆがむ |
| 長時間の脱水 | 強いシワやねじれが付く |
| 高温乾燥 | 生地が縮み、硬くなる |
| 衣類の重さ | 肩や身丈が伸びる |
| 編み目の粗さ | 形が崩れやすくなる |
縮みやすさは、ラミーの混用率だけでは判断できません。

生地の織り方・編み方・加工・縫製も影響します。
水分や摩擦、脱水、熱によって服が縮む仕組みを知りたい方は、こちらの記事も参考になります。
③ 毛羽立ち・白っぽい擦れが出る
ラミーの表面に摩擦が加わると、繊維が乱れて毛羽立つことがあります。
特に黒や紺などの濃色では、毛羽立った部分が白っぽく見えやすくなります。
摩擦が集中しやすい場所
- バッグのストラップが当たる肩
- 脇や袖の内側
- パンツの内股
- 椅子と接触するヒップ
- ベルトや金具が当たる部分
- 洗濯中に他の衣類と触れる部分

販売員時代にも、お客様から「色が抜けた」という相談は割とよくありました。
実際には染料が落ちたのではなく、表面の繊維が乱れて白く見えているケースもあります。
| 見た目 | 考えられる状態 |
|---|---|
| 表面がふわふわしている | 毛羽立ち |
| 一方向だけ白く見える | 摩擦による繊維の乱れ |
| 糸が輪状に飛び出している | 引っ掛け |
| 生地が薄くなっている | 摩耗 |
| 別の衣類に色が付いている | 色落ち・移染 |
毛羽立ちと色落ちは見た目が似ていますが、発生する仕組みは異なります。
摩擦による毛羽立ちが毛玉へ進む原因や、悪化を防ぐ方法は下の記事でも解説しています。
④ 肌にチクチク感じる
ラミーは繊維が比較的硬く、生地によっては肌への刺激を感じることがあります。
太い糸や表面の毛羽が肌に触れると、チクチク感が強くなりやすい傾向です。
刺激を感じやすい条件
| 条件 | 刺激が出やすい理由 |
|---|---|
| 太いラミー糸 | 繊維の硬さを感じやすい |
| 表面に毛羽がある | 毛羽の先端が肌に触れる |
| 襟や袖口が硬い | 同じ場所に摩擦が集中する |
| 汗をかいている | 生地が肌に密着しやすい |
| 乾燥肌・敏感肌 | わずかな刺激も感じやすい |
| 縫い代やタグが当たる | ラミー以外が原因の場合もある |

同じラミー素材でも、糸の細さや加工方法によって肌触りは異なります。
素材の硬さだけでなく、汗や乾燥、縫い目による刺激が気になる方は、こちらの記事も確認してみてください。
⑤ 色落ち・移染が起こる
色落ちはラミーだけの弱点ではなく、染色方法や色の濃さに左右されるトラブルです。
特に濃色や製品染めの衣類は、水分や摩擦によって染料が移る場合があります。
注意したい衣類
| 注意したい衣類 | 起こりやすいこと |
|---|---|
| 黒・紺・赤などの濃色 | 淡色衣類へ色が移る |
| 製品染めの衣類 | 部分的な色むらが出る |
| 配色デザイン | 淡色部分へ濃色が移る |
| 刺繍や装飾付き | 装飾部分から色が出る |
| 汗や雨で湿った衣類 | バッグや椅子へ色が移る |
染料が流れ出す色落ちと、摩擦による白っぽい擦れは別の現象です。

見た目だけでは判断しにくいため、衣類の表面や周囲への色移りも確認しましょう。
ラミーからほかの衣類へ色が移ってしまった場合の対処法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
ラミー素材を長持ちさせる5つの正しい扱い方

ラミーを長く着るには、洗濯だけでなく「事前確認・乾燥・保管」までを一連の流れとして考えることが大切です。
今日から実践したい行動をタイミング毎に表に整理したので、まずは確認してください。
| 順番 | タイミング | やること | 狙い |
|---|---|---|---|
| ① | 洗濯前 | 組成表示と洗濯表示を確認する | 洗濯事故を防ぐ |
| ② | 洗濯準備 | 裏返してネットに入れる | 摩擦と色移りを抑える |
| ③ | 洗濯中 | 弱い水流と短時間脱水で洗う | シワと型崩れを減らす |
| ④ | 洗濯後 | すぐに形を整えて陰干しする | 縮みと深いシワを防ぐ |
| ⑤ | 仕上げ・保管 | 適切にアイロンと収納を行う | 形と風合いを保つ |
続いて、ここも表①~⑤各行動の具体的な方法を順番に解説します。
① 組成表示と洗濯表示を確認する
最初に確認するのは、「ラミーの混用率」と「家庭洗濯の可否」です。
ラミー100%でも、染色・裏地・芯地・装飾によっては家庭で洗えない場合があります。
洗濯前の確認項目
- ラミーの混用率
- 一緒に使われている素材
- 家庭洗濯の可否
- 使用できる水温
- 漂白処理の可否
- タンブル乾燥の可否
- 指定されている干し方
- アイロンの上限温度

素材名から洗い方を決めず、衣類に縫い付けられている洗濯表示を優先しましょう。
洗濯・乾燥・アイロンのマークを詳しく確認したい方は、こちらの早見表も参考になります。
② 裏返して洗濯ネットに入れる
家庭洗濯ができる衣類は、表面の摩擦を抑えるために裏返します。
ボタンやファスナーを閉じ、軽く畳んでから「洗濯ネット」に入れましょう。
洗濯ネットへ入れる手順
- ポケットの中を確認する
- ボタンやファスナーを閉じる
- 衣類を裏返す
- 縫い目を整えて畳む
- 衣類に合うネットへ入れる
ネットが大きすぎると、内部で衣類が動いて摩擦が増え、逆に小さすぎるネットへ押し込むと、折れジワが付きやすくなります。
| 衣類 | 入れ方の目安 |
|---|---|
| シャツ | 軽く畳んで1枚ずつ入れる |
| ブラウス | 装飾を内側にして畳む |
| パンツ | 脚をそろえて三つ折りにする |
| ワンピース | 身頃と裾を整えて畳む |
| ストール | 絡まない大きさに畳む |

濃色の衣類は、白や淡色の衣類と分けて洗うと移染を防ぎやすくなります。
洗濯ネットの使い方を含め、洗濯前に確認したい注意点は下の記事でまとめています。
③ 弱い水流と短時間脱水で洗う
洗濯機では、「おしゃれ着・手洗い・ドライ」など、衣類への負担が少ないコースを選びます。
洗剤は、洗濯表示に対応したものを適量使用してください。
洗濯工程ごとのポイント
| 洗濯工程 | 扱い方 |
|---|---|
| 水温 | 洗濯表示の上限を守る |
| 洗剤 | 表示に対応した洗剤を適量使う |
| 水流 | 弱いコースを選ぶ |
| 脱水 | 短時間で終える |
| 漂白 | 表示で許可されている場合のみ行う |
| 乾燥機 | タンブル乾燥表示を確認する |
部分汚れを落とすときも、硬いブラシで強くこするのは避けます。

洗剤液を含ませた布や指先で、汚れを押し出すように洗いましょう。
水流や脱水時間によって服が傷む理由を詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
④ すぐに形を整えて陰干しする
洗濯後は放置せず、すぐに取り出します。
衣類全体を軽く振り、縫い目・襟・袖・裾を整えてから干してください。
干す前に整える場所
- 肩線
- 脇の縫い目
- 襟と前立て
- 袖口
- 裾
- パンツの折り目
衣類の重さや形によって、適した干し方は異なります。
| 衣類の状態 | 干し方の目安 |
|---|---|
| 薄手のシャツ | 厚みのあるハンガーで陰干し |
| 型崩れしやすいブラウス | 平干しを検討する |
| 重さのあるワンピース | 平干しまたは表示指定に従う |
| パンツ | ウエスト部分を支えて干す |
| ニット状のラミー | 平干しを優先する |

僕の経験からオススメしたいのは、濡れている間に形を整えることです。
乾燥してから直すよりも、深い洗濯ジワを抑えやすくなります。
洗濯後の干し方や重みによる型崩れが気になる方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
⑤ 表示に従ってアイロンと保管を行う
シワが気になる場合は、「アイロン表示」を確認してから仕上げます。
温度は「麻だから高温」と決めず、表示されている上限温度を守りましょう。
アイロンをかける手順
- 衣類を裏返す
- 目立たない場所で試す
- 必要に応じて当て布をする
- 表示範囲内の温度でかける
- 熱と湿気を逃がしてから収納する
アイロンと保管で避けたい行動も確認しておきましょう。
| 避けたい行動 | 起こりやすいこと |
|---|---|
| 高温で長く押し付ける | テカリや変色 |
| 強くプレスする | 縫い代やボタン跡が出る |
| 湿ったまま畳む | におい、黄ばみ、カビ |
| 細いハンガーに掛け続ける | 肩の突出や型崩れ |
| 収納ケースへ詰め込む | 深い折れジワ |
長期間収納するときは、汚れや湿気を残さないことが重要です。

畳んで保管する場合は、折り目が同じ場所に固定されないよう、定期的に畳み直しましょう。
すでに付いてしまったシワを手早く整えたいときは、下の記事も役立ちます。
まとめ:ラミーとリネンの違いを知って正しく扱おう

ラミーは、「ハリ・シャリ感・光沢」を楽しめる春夏向けの天然繊維です。
一方で、弾力性の低さや繊維の硬さから、「シワ・縮み・毛羽立ち」などが起こることがあります。
最後に、本記事でお話しした「問題点」「トラブルの原因」「対処法」をサクッとおさらいしていきましょう。
ラミー素材の問題点
| 問題点 | 起こりやすい症状 |
|---|---|
| シワ | 座りジワや洗濯ジワが残る |
| 縮み・型崩れ | 身丈や幅が変わる |
| 毛羽立ち | 表面が白っぽく見える |
| チクチク感 | 首や腕に刺激を感じる |
| 色落ち・移染 | 淡色衣類やバッグに色が付く |
これらの問題は、ラミーの繊維特性と扱い方が重なって起こります。
主なトラブルの原因
| 原因 | 起こりやすいトラブル |
|---|---|
| 弾力性が低い | シワが元に戻りにくい |
| 水分や熱の影響 | 縮みや型崩れが起こる |
| 強い摩擦 | 毛羽立ちや白い擦れが出る |
| 繊維が硬い | チクチク感につながる |
| 染色や濃色の特性 | 色落ちや移染が起こる |
原因が分かれば、必要以上にラミーを避ける必要はありません。
今日からできる対策
| 順番 | 今日からできること |
|---|---|
| ① | 組成表示と洗濯表示を確認する |
| ② | 裏返して洗濯ネットに入れる |
| ③ | 弱い水流と短時間脱水で洗う |
| ④ | 洗濯後すぐに形を整えて陰干しする |
| ⑤ | 表示に従ってアイロンと保管を行う |
ラミーはハリとシャリ感が強く、リネンは比較的しなやかな風合いを持っています。
素材名だけで扱い方を決めず、衣類ごとの洗濯表示を確認しながら、ラミーならではの涼しさと上品な光沢を長く楽しみましょう。
ラミー以外の素材に起こりやすい縮みや毛玉、色落ちについては、こちらの一覧も参考になります。














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