
この記事は、アパレル歴20年の店長経験者が詳しく解説しています。【筆者プロフィール】
- 「歩くたびにかかとが浮く」
- 「パンプスが脱げそうになる」
- 「スニーカーなのにパカパカする」
実は“パカパカ”は、靴が大きいだけでなく、「かかとの形・甲の高さ(足の厚み)・前滑り」など、いくつかの原因が重なって起きるケースが多く、そのまま我慢して歩くと、脱げそうで無意識に力が入り、靴擦れ・足の疲れ・歩き方の崩れにつながることもあります。
逆に言えば、原因に合った対処を選べば、今履いている靴でもフィット感は十分改善できるということ。
そこで本記事では、元アパレル店長である筆者が正しい対処法を詳しく解説していきます。
- 靴がパカパカする主な原因(かかと・サイズ・甲・芯・素材・歩き方)
- 自分の足と靴のどこが合っていないのか(原因の見つけ方)
- 今すぐ効く対処法(かかとパッド・つま先クッション等)の使い分け
- 次に靴を買う時に失敗しない選び方(パカパカしにくい形)
- パンプス/スニーカーでも脱げにくくするコツ
また、特に“パンプスだけ脱げやすい”といった場合は、原因がもう少し絞れるので、以下の記事もこちらもあわせてご覧ください。
靴がパカパカする主な原因

先に結論として、靴がパカパカする原因は主にこの6つです。
まずは「自分に近い症状」を表から探して、原因の見当をつけてください。
| 順 | 原因 | よくある症状(サイン) |
|---|---|---|
| ① | かかとが細い(日本人に多いタイプ) | サイズは合っているのに、かかとだけ浮く/片足だけ浮きやすい |
| ② | サイズが大きい | 歩くたびにズレる/階段で脱げそう/つま先に余りがある |
| ③ | 甲が低い・足の厚みが薄い | 前で支えられず、後ろ(かかと)が浮く |
| ④ | 靴の“かかと芯”が合っていない | かかと周りが当たる/浮く/フィット感が不自然 |
| ⑤ | 靴の素材が硬い | 新品ほど浮きやすい/馴染む前にパカパカする |
| ⑥ | 歩き方のクセ | 歩幅が大きい/かかと着地が強い/つま先を使わない |
このあと、原因番号①〜⑥の順に「なぜパカパカするのか」と「具体的な対策」を詳しく解説します。
【原因①】 かかとが細い(日本人に多いタイプ)
日本人は“かかとだけ細い”人が多く、靴がかかとにフィットせず浮きやすい。
さらに、同じサイズでも「かかとのカーブが緩い靴」だと隙間ができやすく、歩くたびにズレが増えます。
片足だけ浮きやすい人は、左右のかかとの細さ(骨格差)が原因になっていることも多いです。
【原因②】 サイズが大きい
単純ですが最も多い原因。
特にパンプスは1〜2サイズ刻みなので誤差が出やすい。
パンプスは“少し大きめを選ぶ”だけで一気にパカパカしやすいので、当てはまる方はこちらも参考にしてください
【原因③】 甲が低い・足の厚みが薄い
足の甲が薄いと、前で支えられず後ろ(かかと)が浮く構造になります。
靴ひもがないパンプスやローファーは、甲で固定できないと“前滑り→かかと浮き”が起きやすいです。
見た目はサイズが合っていても、甲のフィットが弱いだけでパカパカするケースはかなり多いです。
【原因④】 靴の“かかと芯”が合っていない
靴のかかと部分には硬い芯材(ヒールカウンター)が入っており、形や高さが合わないと浮きやすくなります。
芯が高い靴は、足のかかとの丸みに沿わないと“押し返される感じ”が出て浮きやすい傾向があります。
逆に芯が低すぎるとホールド力が足りず、歩行中にかかとが抜けやすくなります。
【原因⑤】 靴の素材が硬い
硬い靴は足に馴染む前に“浮き”が起きやすい。
✅素材例
- 合皮
- 新品レザー
- 厚めのキャンバス
特に新品は屈曲(曲がり)が硬く、足の動きに追従しないので「かかとだけ遅れてついてくる」状態になりがちです。
“最初だけパカパカする”人は、素材の硬さ+馴染み不足が原因の可能性が高いです。
【原因⑥】 歩き方のクセ
- 歩幅が大きい
- かかとから強く着地する
- つま先をあまり使わない
これらは靴が脱げやすくなる歩き方です。
着地の衝撃が強いと、靴の中で足が前後に動きやすくなり、結果としてかかとが浮きます。
“歩くほどズレが大きくなる”タイプは、靴の問題だけでなく歩き方が影響していることが多いです。
靴がパカパカする時の対処法(即効性が高い順)
ここからは、靴がパカパカする時の対処法を即効性が高い順に並べました。
下の表はこのあと解説する順番そのままなので、気になる方法から読んでもOKです。
| 対処法 | 効きやすい原因 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1. かかとパッドを入れる(最も効果大) | かかとが細い/かかと周りが浮く | 厚すぎると逆に当たりが出る |
| 2. つま先に“つま先クッション”を入れる | サイズが少し大きい/前滑りする | 窮屈さが出るなら薄型へ |
| 3. 中敷きを厚めのものに交換する | 甲が低い/足の厚みが薄い | サイズがきつくなったら逆効果 |
| 4. パンプスは“かかとが硬すぎない”ものを選ぶ | かかと芯が合わない/当たるのに浮く | 柔らかすぎるとホールド不足もある |
| 5. ベルト付きの靴を選ぶ | 脱げやすい体質/歩くと抜ける | 締めすぎると痛み・むくみの原因 |
| 6. 歩き方を改善する | 歩幅が大きい/かかと着地が強い | 靴側のズレが大きい時は先に①〜③で調整 |
| 7. 革靴は“ならし”が必要 | 新品レザーが硬い/馴染む前に浮く | 無理に長時間履くと靴擦れリスク |
それでは表の1から順に、「効果が出る理由」と「失敗しない使い分け」を具体的に解説します。
【対処法①】かかとパッドを入れる(最も効果大)
かかとに貼るだけでフィット感が劇的に改善します。
✅効果
- 脱げにくくなる
- 摩擦減少
- かかとの動きを抑える
パンプス・ローファー・スニーカーすべてに有効。
かかとパッドは“脱げ防止”だけでなく、摩擦が減るので靴擦れ予防にも繋がるため、靴擦れも気になる方は、下の記事もセットでどうぞ。
【対処法②】つま先に“つま先クッション”を入れる
前に足を軽く押し出す効果=かかとが抜けにくくなる。
✅用途
- パンプス
- ローファー
- スリッポン
【対処法③】中敷きを厚めのものに交換する
甲が低い人はインソールで“高さを調整”すると改善しやすい。
✅おすすめ
- スポンジ系インソール
- 衝撃吸収系
尚、インソールを変えると“蒸れやすさ”が変わることもあります。蒸れ・ニオイまで気になる方は、こちらもあわせてどうぞ。
【対処法④】パンプスは“かかとが硬すぎない”ものを選ぶ
パンプスのかかと芯が硬いと浮きやすい。
✅ポイント
- 内側が柔らかいもの
- かかとラインがカーブしているもの
【対処法⑤】ベルト付きの靴を選ぶ
靴が脱げやすい人は、
- アンクルストラップ
- 甲ストラップ
こういったストラップがある靴を選ぶと安定します。
【対処法⑥】歩き方を改善する
✅理想の歩き方
- かかと着地 → 足裏全体 → つま先で蹴る
- 歩幅を大きくし過ぎない
- 足首を柔らかく使う
【対処法⑦】革靴は“ならし”が必要
新品レザーは硬いため浮きやすい。
以下の方法で馴染ませると改善。
- 厚手靴下で室内歩行
- ドライヤー温め→揉む
- 数回短時間履く
革靴の“ならし”は、当たる場所によって正解が変わります。痛みも出ている方は、下の記事から部位別にチェックしてください。
パカパカしにくい靴の選び方
次は、そもそもパカパカしにくい靴を選ぶための基準です。
| 順 | 選び方 | チェックポイント | パカパカ防止の理由 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| ① | かかとが細めの設計 | ヒールカウンター(かかと周り)が狭め/ホールド感がある | かかとが浮く「隙間」を作りにくい | サイズは合うのに、かかとだけ浮く |
| ② | 甲深デザイン | 甲を覆う面積が広い(甲深パンプス・ローファー等) | 甲で支えられて、後ろが抜けにくい | 甲が低い/足が薄い |
| ③ | ストラップ付きデザイン | 甲ストラップ/アンクルストラップの有無 | 歩行中の“抜け”を物理的に止められる | 歩くと脱げそう・階段が怖い |
| ④ | 柔らかい素材 | 本革・スウェード・ニットなど馴染みやすい素材 | 足に沿ってフィットしやすく、浮きを減らせる | 新品ほどパカパカしやすい |
ここからは、各項目について「選ぶときに見落としがちなポイント」まで含めて解説します。
【選び方①】かかとが細めの設計
パカパカの一番多い原因は、サイズそのものより「かかと周りの隙間」です。
足の幅は合っているのに、歩くたびにかかとだけ浮く人は、靴の“かかと設計”が合っていない可能性が高いです。
購入時は、以下のポイントをチェックしてください。
- かかと周り(ヒールカウンター)が狭めで、手で押すと適度にホールド感がある
- 履いた瞬間にかかとが吸い付く感じがあり、左右にズレにくい
- 少し歩いたときにかかとが“遅れてついてくる”感覚がない(=靴が先に動いていない)
逆に、試着時点でかかとがスカスカする靴は、インソールやパッドで調整しても限界が出やすいです。
かかとが細めに作られているブランドや木型を選ぶほうが、結果的にストレスが少なくなります。
レビューで「かかとが抜けにくい」「ホールド感がある」「パカパカしない」といった表現が多いものは狙い目です。
【選び方②】甲深デザイン
足が薄い・甲が低い人は、靴の前側で支えられず、歩行中に前滑り→かかとが抜ける流れになりやすいです。
こういうタイプは、甲を覆う面積が広い(甲深)靴のほうが安定します。
甲深デザインのメリットは、かかとではなく甲で靴を支えられること。結果として、後ろが浮きにくくなります。
- 甲深パンプス(履き口が浅すぎない)
- ローファー(甲をしっかり覆う)
- Vカットでも、深さがあればホールドしやすい
履き口が浅いパンプスは、見た目はきれいでもパカパカしやすい傾向があります。試着のときは、つま先立ちをしてかかとがどれだけ浮くかを確認すると分かりやすいです。
「かかとパッドで何とかしてきたけど毎回しんどい…」という人ほど、次は甲深を優先すると失敗しにくくなります。
【選び方③】ストラップ付きデザイン
歩くときの“抜け”を物理的に止められるのがストラップです。
パカパカが強い人、階段や早歩きで脱げそうになる人は、ストラップ付きを選ぶだけで安心感が大きく変わります。
ストラップは主に2種類あります。
- 甲ストラップ:前滑りを止めやすく、普段使いにも合わせやすい
- アンクルストラップ:足首で固定でき、最も安定感が高い
選ぶコツは「締めればいい」ではなく、適正位置で固定できるか。
ストラップが上すぎる・下すぎると固定力が弱く、逆に締め付けて痛みやすくなります。
むくみやすい人は、きつく締めすぎると痛みが出ます。試着のときは、少し歩いてから指1本入る程度の余裕が残っているかを確認すると安心です。
【選び方④】柔らかい素材
新品の靴がパカパカしやすいのは、素材が硬くて足に沿わず、かかとや甲に“隙間”が残るからです。
素材が柔らかいほど足に馴染みやすく、結果的に浮きが減ります。
馴染みやすい素材の例は次の通り。
- 本革:履くほど伸びて形が合いやすい(ただし、ならしは必要)
- スウェード:表面が柔らかく、当たりが出にくい
- ニット・伸縮素材:甲や幅にフィットしやすい
一方で、硬い合皮や芯が強い靴は、形が崩れにくい反面、フィットしないとパカパカが残りやすいです。
そういう靴を選ぶなら、かかとが細め(1)+ストラップ(3)など、別の要素で固定できるモデルを選ぶと失敗が減ります。
本革などは「馴染めば良くなる」ことも多いですが、最初から隙間が大きい靴を“ならし”で直すのは難しいです。ならしはあくまで微調整と考え、試着時点でホールド感がある靴を選びましょう。
ここまでのポイントを押さえるだけでも、次に買う靴の“パカパカ率”はかなり下がります。
今の靴で対処しつつ、次回はかかと設計→甲の深さ→ストラップ→素材の順にチェックしてみてください。
まとめ:パカパカは「かかと × 甲 × サイズ」で防げる

靴がパカパカする原因は1つではなく、かかと・甲・サイズ(前滑り)のズレが重なって起きることがほとんどです。
まずは「自分の症状 → いちばん効く対策」を最短で当てていきましょう。
| あなたの症状(よくあるサイン) | 可能性が高い原因 | まず試す対処法(即効性) |
|---|---|---|
| サイズは合ってるのに、かかとだけ浮く | かかとが細い/かかと設計が合わない | かかとパッドで隙間を埋める |
| 階段や早歩きで脱げそう | サイズが大きい/固定力不足 | 中敷きで厚み調整+必要ならサイズ見直し |
| 足が前に滑って、結果かかとが抜ける | 甲が低い/足の厚みが薄い | つま先クッションで前滑り抑制 |
| かかと周りが当たる・浮くが同時に起きる | かかと芯が合っていない | かかとパッド+“芯が硬すぎない靴”へ |
| 新品だけパカパカしやすい | 素材が硬い/馴染み不足 | ならし+柔らかい素材を選ぶ |
| 歩くほどズレが増える | 歩き方のクセ | 歩幅・着地の見直し(つま先も使う) |
今日から迷わない「優先順位」だけ覚える
- 最優先:かかとパッド(万能で効果が出やすい)
- 次点:つま先クッション(前滑りがある人に刺さる)
- その次:中敷き交換(甲の低さ・厚み不足に相性◎)
次に靴を買うときの失敗防止(1分チェック)
- 夕方〜夜に試着(むくみを想定)
- 店内を早歩き+階段の動きでフィット確認
- 「かかとが抜けないか」だけでなく“前に滑らないか”も見る
まずは手軽な「かかとパッド」から試して、歩きやすさを取り戻しましょう。







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