
この記事は、アパレル歴20年の店長経験者が詳しく解説しています。【筆者プロフィール】
「グログラン生地は、普通に洗濯しても大丈夫?」
「表面の横線が白っぽくなったけれど、傷んでいるの?」
「ハリが強くて扱いにくい服は、どのように保管すればよい?」
「グログラン」は、横方向に走る立体的な畝と、しっかりしたハリが特徴の織物です。
上品な見た目と形を保ちやすい性質から、スカートやワンピース、ジャケット、リボンなどに幅広く使われています。
一方で、生地そのものに伸縮性が少なく、強い摩擦や高温のアイロンによって表面の風合いが変わることがあります。
また、グログランという名前だけでは、家庭で洗えるかどうかを判断できません。

僕自身の経験でも、ポリエステル製とシルク製では、同じグログランでも取り扱い方法が大きく異なりました。
生地の織り方だけでなく、品質表示タグに書かれた繊維素材まで確認することが大切です。
そこでこの記事では、まず「グログラン生地の特徴」を整理したうえで、「起こりやすいトラブル」と「正しい洗い方や保管方法」を分かりやすく解説します。
- グログラン生地の織り方と見た目の特徴
- グログランに使われる主な繊維素材
- ハリが強く伸びにくい理由
- 表面が白っぽくなる原因
- 型崩れやシワを防ぐ扱い方
- 洗濯・アイロン・保管時の注意点
グログラン生地とは?横畝とハリが特徴の織物

そもそも「グログラン生地」を知っていますか?
冒頭でも簡単にお話ししましたが、グログラン生地とは、細い経糸と、それより太い緯糸を使って密に織ることで、表面に横方向の畝を表した平織物です。
まずは、グログラン生地の基本的な特徴を確認してみましょう。
| 項目 | グログラン生地の特徴 |
|---|---|
| 生地の種類 | 横畝を表した平織物 |
| 表面 | 横方向に細かな筋状の凹凸がある |
| 風合い | ハリとコシが強い |
| 光沢 | サテンより控えめで上品 |
| 伸縮性 | 基本的に低い |
| 主な素材 | ポリエステル、綿、ナイロン、シルクなど |
| 主な用途 | スカート、ワンピース、ジャケット、リボン、バッグ |
| 注意点 | 素材によって洗濯方法や耐熱性が異なる |
このように、グログランの特徴は「横畝」と「ハリ」にあります。
ただし、同じグログランでも、使用されている繊維や生地の厚みによって、手触りや扱いやすさは変わります。
横方向の畝が生まれる仕組み
グログランは、経糸よりも太い緯糸を使い、糸を密に打ち込んで作られます。
太い緯糸が生地表面に強く表れることで、横方向の筋状の凹凸が生まれる仕組みです。
経糸と緯糸の違い
| 糸の種類 | 生地の中で走る方向 | グログランでの役割 |
|---|---|---|
| 経糸 | 生地の縦方向 | 細い糸で生地の土台を作る |
| 緯糸 | 生地の横方向 | 太い糸で横畝を表現する |
表面の畝は、プリントや後加工で付けた模様ではありません。
織り構造そのものによって生まれているため、光の当たり方によって陰影が変わり、控えめな光沢が感じられます。
ハリがあり形を保ちやすい
グログランは、柔らかく落ちる生地とは異なり、立体的なシルエットを作りやすい点が特徴です。
グログランのハリが活かされやすい服をまとめると、次のようになります。
| 服の種類 | グログランが使われる理由 |
|---|---|
| フレアスカート | 裾が広がる形を保ちやすい |
| ワンピース | 立体的で上品なシルエットを作れる |
| ジャケット | 襟や身頃の形が崩れにくい |
| パーティードレス | 控えめな光沢と重厚感を出せる |
| リボン・装飾 | 結んだ形を保ちやすい |
| バッグ | 表面に張りがあり型崩れしにくい |
ただし、ハリが強いほど、体の動きに沿いにくくなる場合があります。
試着時には、見た目だけでなく、腕や腰を動かしたときの窮屈さも確認しましょう。
グログランとサテンの違い
グログランとサテンは、どちらもフォーマルな服やリボンに使われますが、表面の構造や光沢感が異なります。
| 比較項目 | グログラン | サテン |
|---|---|---|
| 表面 | 横方向の畝がある | なめらかで平ら |
| 光沢 | 控えめで落ち着いている | 強く華やか |
| ハリ | 強いものが多い | 柔らかいものが多い |
| 摩擦 | 比較的強いが、畝は擦れに注意 | 引っ掛けや摩擦に弱い |
| シルエット | 立体感を出しやすい | ドレープを出しやすい |
| 主な用途 | スカート、ジャケット、リボン | ドレス、ブラウス、裏地 |
グログランは上品で構築的な印象、サテンは華やかで流れるような印象になりやすい生地です。
光沢の強さや表面の滑らかさを含め、サテンとの違いをさらに詳しく確認したい方は、こちらも参考にしてください。
素材によって性質が変わる
グログランの取り扱いで最も注意したいのが、使用されている繊維素材です。
「グログランだから水洗いできる」「グログランだからアイロンに強い」とは限りません。
| 素材 | 主な特徴 | ケアの注意点 |
|---|---|---|
| ポリエステル | シワになりにくく形が安定しやすい | 高温のアイロンを避ける |
| ナイロン | 軽く摩耗に比較的強い | 熱に弱いため乾燥機に注意 |
| 綿 | 吸湿性があり自然な風合い | 縮みや色落ちに注意 |
| レーヨン | 光沢と柔らかさがある | 水濡れによる縮みや型崩れに注意 |
| シルク | 上品な光沢と高級感がある | 水・摩擦・汗に注意 |
| 混紡素材 | 複数素材の長所を持つ | 最もデリケートな素材に合わせる |
このように、使用素材によって注意点が異なるため、必ず服の内側にある品質表示タグと洗濯表示を確認してください。
グログラン生地に起こりやすいトラブル・原因

グログラン生地は丈夫で形を保ちやすい一方、横畝や強いハリが原因となって、独特のトラブルが起こることがあります。
まずは主なトラブルを、これから解説する順番にまとめました。
| 順 | 主なトラブル | 主な原因 | 起こりやすい服 |
|---|---|---|---|
| ① | 硬くて動きにくい | 密な織りと低い伸縮性 | スカート、ジャケット |
| ② | 折りジワや座りジワが目立つ | ハリが強く折れ目が残る | スカート、ワンピース |
| ③ | 表面が白っぽく見える | 摩擦や畝のつぶれ | バッグ、濃色の服 |
| ④ | テカリやアイロン跡が付く | 高温・強い圧力 | ポリエステル製品 |
| ⑤ | 縮み・色落ち・型崩れが起こる | 素材に合わない洗濯 | 綿、レーヨン、シルク |
ここからは、グログラン生地で起こりやすい5つのトラブルを順番に解説します。
① 生地が硬くて動きにくい
グログランは、糸を密に打ち込んだ平織物です。
生地にハリが出る一方で、ニットのような伸縮性はほとんどないため、体にぴったり合うデザインでは、動いたときに窮屈さを感じることがあります。
動きにくさが出やすい部分
| 部分 | 起こりやすい症状 |
|---|---|
| 肩・背中 | 腕を前に出すと突っ張る |
| 肘 | 腕を曲げにくい |
| ウエスト | 座ると圧迫感がある |
| 腰・ヒップ | 歩幅が狭くなる |
| 膝 | 階段の上り下りがしにくい |
特に注意したいのは、裏地付きの細身ジャケットやタイトスカートで、表地と裏地の両方に伸縮性がないと、見た目以上に動きにくくなります。

販売員時代にも、普段と同じサイズを選んだものの「座ると苦しい」「腕が上がらない」と返品相談を受けたことがありました。
生地の硬さを確認するポイント
- 生地を軽く握ったときに反発が強い
- 引っ張ってもほとんど伸びない
- ギャザー部分が硬く広がっている
- 裏地にも伸縮性がない
- 細身のパターンでゆとりが少ない
グログランのハリ自体は欠点ではありません。
ただし、体に沿う服では、デザインとサイズが合っていないと着心地の悪さにつながります。
生地の伸縮性だけでなく、肩幅や腰まわりのサイズが合っていない場合も動きにくさが強くなるため、服選びに迷う方はこちらも確認してみてください。
② 折りジワや座りジワが目立つ
グログランは形を保ちやすい反面、一度強い折り目が付くと、線状のシワが残ることがあります。
柔らかな生地のように自然に戻りにくく、折り畳んだ状態で長期間保管すると、横畝を横切るような折りジワが目立ちやすくなります。
シワが付きやすい場面
| 場面 | シワが付く理由 |
|---|---|
| 長時間座る | 腰や膝に圧力が集中する |
| 小さく畳む | 同じ位置に強い折れ目が付く |
| 荷物に挟まれる | 生地が押しつぶされる |
| 濡れたまま放置する | 乱れた形のまま乾く |
| 洗濯物を詰め込む | 他の衣類に圧迫される |
特に、ボリュームのあるスカートを小さな引き出しに押し込むと、複数の折り線が残ることがあります。
シワ以外に確認したい状態
次のような場合は、単なるシワではなく、生地表面が変形している可能性があります。
- 折れ線部分だけ光沢が強い
- 横畝が平らにつぶれている
- 白い筋のように見える
- 生地が波打っている
- 裏側に接着芯の浮きがある
無理に引っ張ったり、同じ場所へ高温のアイロンを繰り返したりすると、状態が悪化する場合があります。
グログラン以外も含め、どのような素材がシワになりやすいのかを知っておくと、購入時や収納時の失敗を減らせます。
③ 摩擦で表面が白っぽく見える
濃い色のグログランでは、摩擦を受けた部分が白っぽく見えることがありますが、必ずしも色が完全に抜けたとは限りません。
表面の横畝が擦れて毛羽立ったり、凹凸の向きが乱れたりすると、光の反射が変わって白く見える場合があります。
摩擦が起こりやすい場所
| 場所 | 主な摩擦の原因 |
|---|---|
| 脇腹 | 腕やバッグが触れる |
| 肩 | ショルダーバッグのベルト |
| ヒップ | 椅子との擦れ |
| 袖口 | 机やバッグとの接触 |
| 裾 | 靴や地面との接触 |
| バッグの角 | 壁や衣類との擦れ |
横畝のある表面は、見る方向や光の角度によって色の濃さが違って見えるため、畝が一部だけ寝ると、擦れた部分が目立ちます。

お客様でも、黒やネイビーのグログランスカートで、バッグが当たる腰部分だけ白っぽくなったケースを何度か見ました。
汚れだと思って強くこすると、さらに毛羽立つため注意が必要です。
汚れと摩擦跡の見分け方
| 確認方法 | 汚れの可能性 | 摩擦跡の可能性 |
|---|---|---|
| 光の角度を変える | 色がほぼ変わらない | 白さが薄くなったり濃くなったりする |
| 軽く払う | ほこりが取れることがある | 変化しにくい |
| 表面を見る | 畝が保たれている | 畝が寝ている、毛羽立っている |
| 発生場所 | 食べこぼしなど不規則 | バッグや椅子が触れる場所に集中 |
摩擦跡は、完全に元へ戻らない場合があるため、普段からバッグとの接触を減らすことが大切です。
④ 高温のアイロンでテカリや跡が付く
グログランのシワを伸ばそうとして、アイロンを強く押し当てると、横畝がつぶれたり、表面にテカリが出たりすることがあります。
特に、ポリエステルやナイロンを含むグログランは熱に注意が必要で、高温によって繊維が変形すると、元の凹凸や風合いが戻らない可能性があります。
アイロンで起こりやすい失敗
- 表面が平らにつぶれる
- 一部分だけ強く光る
- アイロンの輪郭が残る
- 縫い代の段差が表へ響く
- 生地が波打つ
- 熱で繊維が硬くなる
グログランの光沢は、表面の横畝による陰影から生まるため、強い圧力で畝をつぶすと、光の反射が不自然になり、テカリとして目立ちます。

店頭で商品を整える際も、グログランへアイロンを直接強く押し当てることは避けていました。
注意したい素材
| 素材 | アイロン時の注意点 |
|---|---|
| ポリエステル | 高温でテカリや変形が起こることがある |
| ナイロン | 熱に弱く、溶融や変形に注意 |
| レーヨン | 水分と圧力で風合いが変わりやすい |
| シルク | 水ジミや光沢変化に注意 |
| 綿 | 比較的熱に強いが、濃色はテカリに注意 |
最終的な温度は、必ず洗濯表示に従ってください。
⑤ 洗濯で縮み・色落ち・型崩れが起こる
グログランの洗濯トラブルは、織り方よりも、使用されている繊維素材や付属品の影響を強く受けます。
ポリエステル製なら家庭洗濯できる場合がありますが、シルクやレーヨンを含む製品は、水洗い不可になっていることも少なくありません。
洗濯時に確認したい要素
| 確認項目 | 起こり得るトラブル |
|---|---|
| 表地の素材 | 縮み、色落ち、風合い変化 |
| 裏地の素材 | 表地との収縮差によるつれ |
| 接着芯 | 剥離、浮き、波打ち |
| リボンや装飾 | 色移り、型崩れ |
| プリーツ加工 | 折り目の消失 |
| 洗濯表示 | 家庭洗濯の可否 |
綿のグログランは、水洗いによって多少縮むことがありますが、レーヨンやシルクでは、縮みだけでなく、光沢や手触りが変わる可能性もあります。

お客様から洗濯相談を受けた経験では「表地はポリエステルだから洗えると思った」という失敗が多くありました。
実際には、裏地や接着芯、装飾パーツが水洗いに対応していない場合があります。
洗濯前に注意したいケース
- 水洗い不可の表示がある
- シルクやレーヨンを多く含む
- 濃色と淡色が組み合わされている
- プリーツや立体的な装飾がある
- ジャケットやドレスなど構造が複雑
- 接着芯や肩パッドが入っている
これらに当てはまる服は、自己判断で洗わず、衣類に対応したクリーニング店へ相談したほうが安心です。
洗濯表示の見落としや素材別の失敗例をまとめて確認したい方は、洗う前のチェック項目も押さえておきましょう。
今日からできる「グログラン生地」を長持ちさせる正しいケア方法

グログラン生地をきれいに保つには、横畝をつぶさず、素材に合った方法で洗い、強い摩擦や熱を避けることが重要です。
まずは、日常のお手入れから収納までの流れを確認しましょう。
| 順 | タイミング | やること | 狙い |
|---|---|---|---|
| ① | 着用前・購入後 | 品質表示と洗濯表示を確認する | 素材に合わない洗濯を防ぐ |
| ② | 着用後 | ほこりを落として湿気を飛ばす | 汚れと臭いの定着を防ぐ |
| ③ | 洗濯時 | 裏返してネットへ入れ、弱く洗う | 摩擦と型崩れを抑える |
| ④ | 乾燥・アイロン時 | 形を整え、低温で仕上げる | シワとテカリを防ぐ |
| ⑤ | 収納時 | 圧迫せず、形に合った方法で保管する | 折りジワと畝つぶれを防ぐ |
続いて、ここも表①~⑤を分かりやすく解説します。
① 品質表示と洗濯表示を確認する
最初に確認するのは、「グログラン」という生地名ではなく、品質表示タグに記載された繊維の組成です。
同じ見た目でも、ポリエステル100%とシルク混では、洗い方やアイロン温度が異なります。
洗濯前に確認する項目
| 確認する場所 | 確認内容 |
|---|---|
| 品質表示 | 表地・裏地の素材 |
| 洗濯表示 | 家庭洗濯できるか |
| 漂白表示 | 漂白剤を使用できるか |
| 乾燥表示 | タンブル乾燥できるか |
| アイロン表示 | 使用可能な温度 |
| クリーニング表示 | ドライ・ウェット対応の可否 |
表地だけでなく、裏地、別布、装飾部分の素材も確認してください。

僕の経験でも、表地がポリエステルでも、別布にレーヨンが使われている服や、装飾部分だけ水洗いに向かない商品もありました。
タグ全体を確認する習慣を付けると、洗濯事故を減らせます。
判断に迷ったときの優先順位
- 洗濯表示に従う
- 最もデリケートな素材に合わせる
- 装飾や接着芯の有無を確認する
- 不明な場合はクリーニング店へ相談する
中古品などでタグがない場合は、自宅での丸洗いを避け、専門店に相談したほうが安全です。
洗濯・漂白・乾燥・アイロンの各マークを正確に判断したい方は、洗濯表示を一覧で確認できる記事も役立ちます。
② 着用後はほこりと湿気を取り除く
毎回洗濯すると、生地同士の摩擦が増え、横畝が傷みやすくなります。
目立つ汚れがなければ、着用後に表面を整えて休ませるだけでも、きれいな状態を保ちやすくなります。
| 手順 | やること | 注意点 |
|---|---|---|
| 1 | ポケットの中身を出す | 重みで形が崩れるのを防ぐ |
| 2 | 表面のほこりを軽く払う | 強くこすらない |
| 3 | ハンガーに掛ける | 服の肩幅に合うものを使う |
| 4 | 風通しのよい場所で休ませる | 直射日光を避ける |
| 5 | 湿気が抜けてから収納する | すぐにクローゼットへ戻さない |
ブラシを使う場合は、衣類用の柔らかいブラシを使用し、横畝に沿って軽く動かします。
摩擦を増やさないポイント
- 粘着クリーナーを何度も往復させない
- 汚れを乾いた布で強くこすらない
- バッグを同じ場所へ当て続けない
- 濡れた状態でブラッシングしない
- 強い力で毛並みを起こそうとしない

僕も商品を整える際は、表面に付いたほこりは、強く擦らず、軽く払う方法を優先していました。
横畝の凹凸を守るには、汚れを落とす力より、摩擦を増やさないことが大切です。
特に黒やネイビーのグログランは細かなほこりが目立ちやすいため、濃色の服に合った取り方や予防法も確認しておくと安心です。
③ 洗える場合は裏返してやさしく洗う
家庭洗濯ができる表示の場合でも、一般的な衣類と同じ強さで洗うのは避けましょう。
グログランは平織で比較的丈夫ですが、横畝の表面は摩擦によって白化したり、毛羽立ったりすることがあります。
基本的な洗濯手順
| 手順 | 方法 |
|---|---|
| 1 | ファスナーやホックを閉じる |
| 2 | 衣類を裏返す |
| 3 | 汚れやすい部分を外側にして畳む |
| 4 | サイズの合う洗濯ネットへ入れる |
| 5 | おしゃれ着用の中性洗剤を使用する |
| 6 | 弱水流または手洗いコースで洗う |
| 7 | 短時間で脱水する |
| 8 | 洗濯後すぐに取り出す |
洗濯ネットが大きすぎると、中で衣類が動いて摩擦が増え、逆に小さすぎると強く折れ曲がるため、畳んだ衣類が無理なく収まる大きさを選びましょう。

僕自身、お客様には「洗える表示でも、何でも通常コースでよいわけではありません」と説明していました。
特に濃色のグログランは、裏返しと短時間洗いが表面の白化防止に役立ちます。
色落ちが心配な場合
目立たない場所を白い布で軽く湿らせ、色が移らないか確認します。
次のような服は、単独洗いが安心です。
- 黒、赤、青など色が濃い
- 初めて洗濯する
- 綿やレーヨンを含む
- 白い裏地や装飾が付いている
- 色落ち注意の表示がある
漂白剤の使用可否は、必ず洗濯表示で確認してください。
洗濯機の水流や詰め込み、脱水時間によるダメージも気になる方は、衣類を傷めにくい洗濯方法をあわせて見直してみてください。
④ 形を整えて乾かし、アイロンは低温から試す
洗濯後は、脱水したまま放置すると、強いシワが残りやすくなります。
終了後は早めに取り出し、縫い目や裾を整えてから乾かしましょう。
乾燥時の基本手順
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | 洗濯後すぐにネットから取り出す |
| 2 | 強く振らず、手のひらで形を整える |
| 3 | 縫い目や裾の位置をそろえる |
| 4 | 洗濯表示に従って陰干しする |
| 5 | 完全に乾いてから収納する |
ジャケットやワンピースは、肩幅に合った厚みのあるハンガーを使用し、重みで伸びる可能性がある服は、平干し表示に従ってください。
タンブル乾燥は、熱と回転による摩擦が加わるため、乾燥機不可の表示がある場合は使用できません。
アイロンの基本
- 洗濯表示のアイロン温度を確認する
- 目立たない場所で試す
- 衣類を裏返す
- 当て布を使用する
- 低温から始める
- 強く押しつぶさず、短時間で離す
| 避けたい方法 | 起こりやすいトラブル |
|---|---|
| 高温で長時間押す | テカリ、変形 |
| 表側へ直接当てる | 畝つぶれ、アイロン跡 |
| 強く往復させる | 摩擦、毛羽立ち |
| スチームを近距離で集中させる | 水ジミ、風合い変化 |
| 縫い代の上から強く押す | 段差が表へ響く |

店頭でシワを整える際は、まずハンガーに掛けて自然に戻るかを確認し、それでも残る部分だけを慎重に整えていました。
最初から強い熱を加えないことが、失敗を防ぐポイントです。
アイロンを強く押し当てずにシワを整えたい場合は、スチームや霧吹きなど、素材に合わせたシワ取り方法も参考になります。
⑤ 圧迫を避けて形に合った方法で収納する
グログラン生地は、収納時の圧力によって折りジワや畝つぶれが起こることがあります。
基本的には、ジャケット、ワンピース、スカートなど、形を保ちたい服はハンガー収納が適しています。
アイテム別の収納方法
| アイテム | おすすめの収納方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| ジャケット | 厚みのあるハンガー | 肩幅を合わせる |
| ワンピース | 丈に合った場所へ吊るす | 裾を床に付けない |
| スカート | クリップ付きハンガー | 当て布で挟み跡を防ぐ |
| ブラウス | 滑りにくいハンガー | 詰め込みすぎない |
| リボン・小物 | ゆるく巻く、平らに置く | 強く折らない |
| 畳む必要がある服 | 大きめに畳む | 上へ重い服を載せない |
スカートをクリップで挟む場合は、跡が付きにくい位置を選び、柔らかい布を挟むと安心です。

売り場の商品を保管する際も、グログラン商品をぎゅうぎゅうに並べると、隣の商品に押されて不自然な折れ線が付きました…。
クローゼット内には、衣類同士が軽く動かせる程度の余裕を持たせましょう。
長期保管前のチェック
- 汚れや汗が残っていない
- 完全に乾いている
- ポケットが空になっている
- ハンガーの幅が合っている
- 防虫剤が衣類へ直接触れていない
- 直射日光や湿気を避けている
シーズン中も定期的に状態を確認し、同じ部分へ長期間圧力がかからないようにしてください。
ハンガーの形や収納時の圧迫による変形を防ぎたい方は、服全般の型崩れ対策もあわせて確認しておきましょう。
まとめ:グログラン生地は素材を確認して摩擦と熱を避けよう

グログランは、横方向の畝と、しっかりしたハリが特徴の平織物です。
上品な光沢と立体的なシルエットを楽しめる一方、伸縮性の低さや表面の凹凸によって、「シワ、摩擦跡、テカリ」などが起こることがあります。
最後に、問題点、原因、対策の順番で重要なポイントを整理します。
問題点:グログランに起こりやすい症状
| 問題点 | 主な症状 |
|---|---|
| 動きにくさ | 肩、腰、膝が突っ張る |
| シワ | 畳みジワ、座りジワが残る |
| 摩擦跡 | 表面が白っぽく見える |
| 熱による変化 | テカリ、畝つぶれが起こる |
| 洗濯トラブル | 縮み、色落ち、型崩れが起こる |
これらは、グログランが粗悪な生地だから起こるわけではありません。
生地の構造や素材に合わない扱い方が重なることで目立ちます。
原因:なぜトラブルが起きるのか
| 原因 | 生地への影響 |
|---|---|
| 糸が密に織られている | ハリが強く、伸びにくい |
| 太い緯糸で横畝ができている | 摩擦や圧力の影響が見えやすい |
| 強く折り畳んでいる | 折りジワが残りやすい |
| 高温でアイロンをかける | 表面の凹凸や繊維が変形する |
| 素材を確認せず洗う | 縮みや風合い変化が起こる |
| 収納時に圧迫する | 畝つぶれや型崩れにつながる |
グログランは織物の名称であり、ポリエステル、綿、レーヨン、シルクなど、使われる素材はさまざまです。
そのため、生地名だけで洗濯方法を判断しないことが重要です。
対策:今日からできること
| 順番 | 今日からできる対策 |
|---|---|
| ① | 品質表示と洗濯表示を確認する |
| ② | 着用後は強くこすらず、湿気を飛ばす |
| ③ | 洗える場合は裏返してネットへ入れる |
| ④ | 弱い洗濯コースと短時間脱水を選ぶ |
| ⑤ | 乾燥前に縫い目と形を整える |
| ⑥ | アイロンは当て布を使い低温から試す |
| ⑦ | ハンガー収納で圧迫と折りジワを防ぐ |
グログラン生地は、強く洗ったり高温で一気に整えたりするよりも、普段から摩擦やシワをためない扱い方が適しています。
横畝の風合いとハリを守りながら、服の素材に合った方法で丁寧にケアしていきましょう。
グログランと同じく、摩擦・圧力・熱によって表面が白っぽくなったりテカリが出たりする生地として、ギャバジンの特徴も知っておくと素材ごとの扱い方を比較しやすくなります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。












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