
この記事は、アパレル歴20年の店長経験者が詳しく解説しています。【筆者プロフィール】
- 「買い替えても毎回かかとが痛くなる」
- 「幅が合わず小指が擦れて赤くなる」
- 「ヒールのときだけ必ず靴擦れする」
靴擦れは、「足より合わない靴 × 摩擦 × サイズ誤差」によって起こる問題です。
よく「靴が硬いから仕方ない」「履き慣れるまで我慢」と言われますが、実際は“我慢しなくても避けられるパターン”が大半です。
特に多いのが、次の3つ。
- かかとがわずかに浮いて、同じ場所を反復して擦る
- つま先(指)の逃げ場がなく、前に滑って当たり続ける
- 足型と木型(ラスト)が合わず、当たるポイントが固定される
逆に言えば、「試着の時間帯」「かかとのフィット」「指の自由度」「木型(ブランド傾向)」の4点を押さえるだけで、靴擦れはかなりの確率で防げます。
そこでこの記事では、アパレル歴20年の筆者が“靴擦れしない靴の選び方”を徹底的に解説します。
- 靴擦れが起こる原因(足型・サイズ・素材・摩擦・かかと構造)
- 試着で絶対に確認すべきチェックポイント(かかと・つま先・幅)
- 靴擦れしない靴の選び方(買う前の鉄則)
- 買った後でもできる対策(パッド・ならし・摩擦対策)
- スニーカー/パンプス別の“靴擦れしにくい傾向”
また、靴擦れと一緒に“歩くとパカパカする(かかとが浮く)”悩みが出ている場合は、原因と対処を先に潰すと失敗が減ります。
靴擦れが起こる原因

先に結論として、靴擦れの原因は主にこの5つです。
まずは「自分がどれに当てはまるか」を表で確認しておくと、選び方の優先順位がすぐ決まります。
| 原因番号 | 原因 | よくある症状(サイン) |
|---|---|---|
| ① | 足の形と靴の形が合っていない | 小指だけ当たる/親指付け根が痛い/甲が圧迫される |
| ② | サイズが合っていない | かかとが浮く/つま先が余るor当たる/歩くとズレる |
| ③ | 素材が硬い | 履いた瞬間から当たりが強い/赤くなる/皮がむける |
| ④ | 靴下・ストッキングとの摩擦 | 同じ靴でも“組み合わせ”で靴擦れする |
| ⑤ | かかとの構造(芯)が合っていない | かかとだけ毎回擦れる/同じ場所が必ず痛い |
このあと、原因番号①〜⑤の順に「なぜ靴擦れするのか」を整理し、失敗しない選び方につなげて解説します。
【原因①】 足の形と靴の形が合っていない
足には個性があります。
✅代表的タイプ
- 甲が高い・低い
- 幅が広い(ワイド)
- 親指が長い(エジプト型)
- 人差し指が長い(ギリシャ型)
靴にも以下の設計があり…
- 細身
- ワイド
- 甲が浅い
- 甲が深い
“足型と靴型の相性” が最重要ポイント。
【原因②】 サイズが合っていない
靴擦れの70%がサイズの問題。
✅合っていないサイン
- かかとが浮く
- つま先に余りすぎ
- 親指の付け根が痛い
- 小指が押される
パンプスで同じ症状が出る人は“脱げる(パカパカ音)”側の原因もほぼ共通です。
【原因③】 素材が硬い
特に新品の靴は摩擦が強い。
✅硬い素材
- 合皮
- エナメル
- 新品レザー
- 厚いキャンバス
✅柔らかい素材
- 本革(履くほど馴染む)
- スウェード
- ニット素材
革靴で“当たる場所が決まって痛い”場合は、場所別に伸ばし方が変わるので下の記事が早いです。
【原因④】 靴下・ストッキングとの摩擦
摩擦が高い組み合わせは靴擦れの原因に。
靴擦れしやすい人は、実は“靴下がズレる(中でたるむ)”のが原因になっていることもあります。
【原因⑤】 かかとの構造が合っていない
靴擦れで一番多いのが「かかと」です。
サイズが合っていても、かかとの“構造”が足に合わないと、同じ場所が繰り返し擦れて靴擦れになります。
かかと擦れは主にこの2パターン。
- かかとが浮いて擦れる(靴の中で足が動く)
- 縁が当たって擦れる(芯が硬い/カットが合わない)
特にパンプスやローファーは、かかとに芯が入っているため、硬いほど当たりが強く出やすいです。
靴擦れしない靴の選び方
靴擦れしない靴選びは、全部を完璧にやるより「優先順位」を決めた方が失敗しません。
まずは下の表で“チェックの順番”を確認してから、各ポイントを詳しく見ていきましょう。
| 優先 | チェック項目 | 店頭での確認方法 | ズレると起きやすい靴擦れ |
|---|---|---|---|
| ★★★ | 午後〜夕方に試着 | むくんだ状態で“最大サイズ”に合わせる | 夕方だけ急に痛い/サイズが微妙にきつい |
| ★★★ | かかとのフィット | 歩いて浮かない/指1本が入らない | かかとが剥ける/同じ場所だけ擦れる |
| ★★★ | つま先(足指)の自由度 | 指が軽く動く/小指が押されない | 小指が赤くなる/指の付け根が痛い |
| ★★☆ | 木型(ラスト)の相性 | 細身・広め・甲の深さの傾向を見る | 当たる場所が“毎回固定”される |
| ★★☆ | 素材の柔らかさ | かかと芯・甲の当たりが硬すぎないか | 初日から赤くなる/皮むけが起きる |
| ★★☆ | ストラップ・甲深デザイン | 足が前に滑らない/ホールドされる | 前滑り→指先・小指が擦れる |
ここからは、表の順番どおりに「失敗しない確認ポイント」を具体的に解説します。
1. 午後に試着する(むくんだ状態が最適)
足は夕方に最もむくむため、午後〜夕方に試着=“最大サイズ”に合わせられる靴擦れしない靴選びの鉄則です。
2. かかとのフィットを最優先
靴擦れのほとんどは“かかと”。
まずはここから決めます。
✅チェック方法
- かかとに指1本は入らない
- 歩いても“浮き”が出ない
- かかと芯が硬すぎない
ここが甘いと“靴擦れ”だけでなく“脱げる・前滑り”も連鎖します。対策をまとめて確認したい方はこちら。
3. つま先(足指)の自由度を確認する
靴擦れは“指の逃げ場”がないと起こる。
✅チェック
- 指が軽く動く
- 横から押して痛くない
- 小指が内側に押されない
4. 足の形に合った“木型(ラスト)”を選ぶ
スニーカーやパンプスにはメーカーごとに“木型”があり、これが全ての設計の基準。
✅細身
- ナイキ
- プーマ
- コンバース(縦長)
✅広め
- ニューバランス
- アシックス
- リーボック
パンプスも同様にブランドごとに木型が違うため、自分に合うブランドを知るのが近道。
5. 柔らかい素材の靴を選ぶ
✅靴擦れしにくい素材
- 柔らかい本革
- スウェード
- ニットスニーカー
- 合皮でも柔らかめ
硬い靴は“慣らし”が必要で、初日に靴擦れしやすい。
6. ストラップ・甲深デザインを選ぶ
足を“ホールド”してくれるデザインは、靴擦れしにくい=安定して歩ける。
✅おすすめ
- アンクルストラップ
- 甲深パンプス
- バレエシューズ系
- ベルト付きローファー
靴擦れを防ぐために買った後にできる対策
「買ってしまった…」でも大丈夫です。
靴擦れは「当たる場所」と「原因(摩擦・硬さ・ズレ)」が分かれば、買った後でもかなり改善できます。
まずは、あなたの状況に合う対策を表で選んでください。
| 状況 | 最優先の対策 | 狙い | ポイント |
|---|---|---|---|
| かかとが擦れて皮がむける | かかとパッドを最初から貼る | 摩擦を“ゼロに近づける” | 貼る位置は“当たる所より少し上”が安定 |
| 硬くて当たりが強い(新品) | ドライヤーで温めて柔らかく | 芯・革を馴染ませる | 温め→揉む→短時間で履く(やりすぎ注意) |
| 初日は大丈夫だが、だんだん痛い | 厚手ソックスで“ならし” | 当たりを分散して形を作る | 1日15分×数回でOK |
| 同じ靴でも日によって痛い | 摩擦の少ない靴下・ストッキング | 擦れの強さを下げる | ずれ・たるみが出ない素材を選ぶ |
次からは、各対策の「やり方」と「失敗しないコツ」を短くまとめます。
1. 靴擦れ防止パッドを最初から貼る
かかとに貼るだけで摩擦が激減。
パンプス・ブーツに特に有効。
2. かかとをドライヤーで温めて柔らかくする
革靴は柔らかくなりやすい。
✅手順
- ドライヤー温風
- かかとを揉む
- 履いて馴染ませる
“温めて馴染ませる”は革靴の定番ケアなので、当たる場所が多い人は下もセットでどうぞ。
3. 厚手の靴下を履いて“ならし”をする
新品の革靴はこれが最も効果的。
1日15分でOK。
4. 摩擦の少ない靴下・ストッキングを選ぶ
✅おすすめ
- シルク
- ナイロン
- 吸湿速乾系
✅避けたい
- コットン100%(摩擦が強い)
蒸れやすいと滑って靴擦れが増えるので、足汗が気になる人は“蒸れ対策”も一緒にやると改善が早いです。
靴擦れしにくい靴ブランド(傾向)
ブランド名を挙げていますが、前提として「ブランド=絶対に合う」ではありません。
ただし、ブランドには“木型の傾向”があり、傾向がハマると靴擦れが一気に減ります。
まずは、記事内で紹介している傾向を表で整理します。
| カテゴリ | ブランド(記事内の例) | 傾向 | 合いやすい人 |
|---|---|---|---|
| スニーカー | ニューバランス | 木型が広め+柔らかい傾向 | 幅広・甲が当たりやすい |
| スニーカー | アシックス/ミズノ | 日本人の足型を意識した設計傾向 | かかと・甲のフィットを重視したい |
| パンプス | プールサイド/ダイアナ/モードエジャコモ | 品質が安定/革が柔らかい傾向(モデルによる) | パンプスでかかと・小指が擦れやすい |
ここからは「スニーカー」「パンプス」に分けて、“どんな人に向きやすいか”を補足します。
(※最終的には、試着で「かかと」と「指の自由度」を優先して判断するのが確実です)
スニーカー
- ニューバランス:木型が広く柔らかい
- アシックス:日本人向けの足型
- ミズノ:安定性が高い
パンプス
- プールサイド:木型が合いやすい
- ダイアナ:安定した品質
- モードエジャコモ:柔らかい革を使用
※ただし“ブランド=合う”ではなく“あなたの足型に合う木型”が最優先。
靴擦れがなくても“長時間歩くと疲れる”なら、サイズと結び方(かかとの固定)を見直すと一気にラクになります。
まとめ:靴擦れは「サイズ × 木型 × 摩擦」で防げる

結論として、靴擦れは「サイズ × 木型(足型の相性)× 摩擦」の3つを整えれば、防げる確率が一気に上がります。
靴擦れがつらいのは、痛みだけでなく「結局どの靴を選べばいいのか分からない」「買って履いた瞬間に失敗が確定する」といった、この不安がセットで来るからです。
でも実際は、靴擦れは“運”ではなくチェック不足で起きることがほとんど。
特に重要なのは、この2点
- かかとのフィットが最優先(浮いたらほぼ擦れる)
- 指の自由度(逃げ場)があるか(前滑り→小指・指先が擦れる)
買う前の最短ルート(迷ったらこれだけ)
- 午後〜夕方に試着する(むくみMAXで合わせる)
- かかとが浮かないかを歩いて確認する
- つま先(足指)が軽く動く余白があるか確認する
- 木型の傾向(広め/細身)を知って、合うブランドから探す
買った後にできる“即効対策”
- かかとパッドは最初から貼る(摩擦を先に潰す)
- 硬い靴は温めて馴染ませる(短時間×数回)
- 厚手ソックスでならす(15分でOK)
- 靴下/ストッキングは「摩擦が少なく、ズレない」を選ぶ
靴擦れは“正しく選べば確実に避けられる”トラブルです。
まずは次の1足から、この記事の順番(時間帯→かかと→指→木型)で試着してみてください。
「毎回かかとが痛い」が当たり前だった人ほど、体感で変わるはずです。









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